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第4話 潮と曙のふたりあそび


「男の子になる薬……?」
 あたしは瞬きをして潮を見つめた。
 遠征から帰って来てお風呂に入って、報告書を書いて晩ご飯を食べて、部屋に戻って暫くしたら、相部屋の潮が「面白いものがある」と言ってきた。
「それが?」
「うん」
 にっこり笑って頷く潮。その手に持ったガラスのビン。中身は赤と青の丸い薬が詰まっている。瓶詰めのあめ玉にも見えなくない。
「いきなり言っても信じられないわよ」
 腕組みをしながら、あたしは言った。
 潮がこいう形であたしをからかうとは思えないんだけど……
 いつもと変わらぬ夜の駆逐艦寮の部屋。部屋の左右に潮と私のベッドが置いてあって、間のスペースに白い絨毯が敷かれていた。今、あたしは潮と一緒に絨毯に置いたクッションに座っている。
「それじゃ、わたしが飲んでみるね?」
 にっこりと潮が笑った。無邪気なようで、どこか酷く妖艶な。
 潮はその場に立ち上がり、セーラー服のリボンをほどく。
 え?
 あたしが固まっているうちに、セーラー服を脱ぎ、さらにスカートも脱いでしまう。
 下着姿の少女が目の前に現れた。駆逐艦とは思えない発育のいいバストを白いブラジャーで包み、白いショーツを穿いている。童顔であることも含めて、かなり犯罪的な容姿だと、あたしは思うわ。
「それじゃ飲むね」
 潮はビンから青い薬を取り出し、それを口に入れた。
 ごく、と飲み込む。
「んっ!」
 潮の喉から漏れる切なげな声。
 えっ? 何これ……。
 その身体が変化を始めた。大きな胸が縮んでいく。背が少し伸び、身体から丸みが無くなった。そして、平らだったショーツが膨らむ。あり得ない……! でも、現実として潮の身体は女の子から別のものへと変化している。
「どうかな? 曙ちゃん」
 そう言った潮の声は、男の子のものになっていた。
 潮は背中に手を回してホックを外し、ブラジャーを脱ぎ捨てる。そこに豊満な乳房は無く、平らな胸板だけががあった。さらにショーツも……
 ええ!?
 目を丸くするあたし。
 潮の下腹部には男の人のアレが生えていた。
「男の子になってるでしょ?」
「た、確かに……」
 困惑を隠しきれない声で、あたしは答える。あまりの恥ずかしさに胸の奥が燃えるように熱い。それなのに、顔を真っ赤にしながら、あたしは潮の股間のものを見つめてしまう。うう、男の子の裸を見るなんて、初めてだし――! 
 無理矢理深呼吸をして、あたしは尋ねた。
「そんな薬どこで手に入れたのよ?」
「んー。妖精さんが作ってくれたんだよ。でも、詳しいことは乙女の秘密」
 と、潮はウインクしてみせた。妖精さんなら、仕方ないかな……。
 それから右手を差し出してくる。青い薬を乗せた右手を。
「曙ちゃんも飲んでみて。男の子って気持ちいいよ」
 ――呑むわけないでしょ!
 あたしはそう叫んだ。つもりだった。
「うん………」
 しかし現実には、潮の差し出した薬を無抵抗に受け取っているあたしがいた。あめ玉のような青い玉。これを呑むと男の子になれる。妖精さんが作った魔法の薬。呑んだら多分後には戻れなんだけど――
「あたしも男の子に――」
「あ、曙ちゃん、言い忘れてた。薬呑む前に上着は脱いでいた方がいいよ。身体の寸法変わっちゃうから、脱ぎづらくなると困るから」
「え。あっ!?」
 あっという間にあたしのセーラー服とスカートが脱がされ、下着だけとなった。薄紫色のジュニアブラと、薄紫色のショーツ。抵抗する暇も無かったわよ。
 そして、右手には青い薬。
 にっこりと視線で促してくる潮。
「えい、ままよ!」
 あたしは薬を口に放り込み、そのまま飲み込んだ。
 どくんっ!
「んぁっ!」
 身体の奥底が脈打ち、あたしは小さい悲鳴を上げる。薬の効果はすぐに現れていた。無控えめな胸がさらに縮み、身体が少し大きくなって、全身が角張った形になっていく。骨が筋肉が軋み、自分の身体が別の形に変化していく――。
 そして、突然下半身に違和感が走った。
「あっ、はひっ!? き、来た……!」
 女性器が内側から裏返るような感触とともに、ショーツが膨らんでいく。驚きと困惑と、興奮と期待が、あたしの頭を駆け抜けた。これが、男の子……!
 ふぅぅぅ。
 あたしはゆっくりと息を吐き出す。
 きらきらと目を輝かせ、潮が訊いてきた。
「曙ちゃん、どう? 男の子の感覚は?」
「いきなりどうって言われても……そうね、声は変わっているわね。自分が男の子になったら、多分こんな声になるんでしょ」
 ぺたぺたと自分の腕や顔を触りながら、あたしは答える。見た感じでも分かったけど、触ってみると骨格から形が変わっていた。ちゃんと戻れるわよねコレ?
「曙ちゃん。もっとしっかり確認しようね」
 視線を移すと、すぐ目の前に潮がいた。
 あたしが反応するより早く、ジュニアブラに手をかけ、あっさりとそれを脱がせる。ぺったんこの胸板。元々薄かったけど、確かにあった膨らみが、今は全く消えていた。
「こっちも」
「まっ、待って……! そ、そっちは自分で脱ぐから!」
 ショーツに手をかけた潮を慌てて追い払う。
 少し離れた所から、期待に満ちた眼差しを向けてくる潮。
 やりにくい……。でも脱がないって選択肢はないんだけど。あたしも気になるし。あたしはショーツに手をかけ、ゆっくりと脱ぎ捨てた。
 ぷるんと、男の子の部分が揺れる。
「なんか、変なかんじ……。これが、おちんちん……」
 おそるおそる、でも勇気を出して、あたしはそれに手を触れた。触っている感触と触られる感触があるけど、本来あたしには無かった部分、もにもにと柔らかい。触ってると、なんだかお腹の奥がくすぐったい。うーん、本当に男の子になっちゃったんだ。
「それじゃ、オナニーしてみようか」
「オナ……って!?」
「男の子になったらやっておかないとね。曙ちゃん。女の子のままじゃ一生体験できないことだよ。それい女の子とは違った気持ちよさがあるから」
 楽しげに言ってくる潮に、あたしは訝りながら頷いた。
「そ、そうかしら?」



 んっ……
 あたしは両手で自分のおとこのこを触る。
 じんわりとした痺れが身体に広がっていき、股間が熱を帯びきた。同時に、大人しかったものが、徐々に膨らんでいく。
「男の人ってこうなるんだ……」
 あたしは自分のものを見つめたまま、他人事のように呟いた。保健の教科書でしか読んだことない生理現象が自分の身体に起っている。
「おちんちんが大きくなったら、こうやって両手で包み込んで、擦るんだよ。自分で一番気持ち良くなるように強さや速さを調整してね」
 潮の股間ではあたしより一回り大きいものが、ぴんと勃っていた。
 こしこしこし。
 潮は両手でそれを掴み、手を上下に動かし始める。慣れた様子で。あたしの知らない所で、男の子になって楽しんでたみたいね。これは。
「あっ、曙ちゃん。おちんちん、気持ちいい……。こうやってしゅっしゅって擦ってると、すごくエッチな電気が走って、腰が抜けちゃいそう」
 頬を赤く染め、潮が甘い声で呟いた。
 なんか、凄くいやらしい……。
 その姿を凝視したまま、あたしは息の呑む。ふと視線を落とすと、さっきまで膨らみかけだったものが、ぎんぎんにそそり立っていた。まるで脈打つように震えている。身体の奥から沸き上がる衝動。出したい……!
「こ、こうかしら?」
 あたしは大きくなったものを右手で掴み、潮の真似をして上下に扱き始めた。これで気持ち良くなるのかしら? と思ったけど、あれ、何か……。ヤバいかも。手を動かすたびに、快感が背骨を駆け上がる。
「んぁっ! これ……! 思ったより……気持ちいい――! 頭が融ける!」
 喉奥を駆け抜ける快感。思わず腰が引けちゃうけど、手は止まらない。やめたくても、身体が勝手に動いちゃう! だって凄く気持ちいいんだもん! 今までに感じたこともない快感と衝動に、何も考えられなくなっていく。
 あたしと潮は向かい合ったまま、自分の男の子を両手で扱いていた。
「曙ちゃん、わたし、出そう!」
「あっ、何か来る――! 来るっ、ああっ!」
 どびゅうっ!
 一瞬目の前が真っ白になって、言葉にならない快感が全身を駆け抜けた。おしっことは違う何かが、男の子の先端から勢いよく放たれる。……これが男の射精ってものなのね。女の絶頂とは全く質の違うものみたい。
「んっ?」
 見ると潮のお腹に白い液体が貼り付いていた。
 視線を戻すと、あたしのお腹にも白い液体がくっついている。
「曙ちゃん、気持ち良かった?」
「かなり、ね」
 潮の問いに、あたしは苦笑いをしながら答えた。
 潮はティッシュ箱からティッシュペーパーを取り、お腹にくっついた精液を拭き取った。それからあたしのお腹に付いた精液も拭き取る。
「次はわたしのお口に出してね」
 そう言って、妖しく口を開いた。



「あっ! 潮っ……! あぁぁっ!」
 ちゅぷ、じゅぷっ。ちゅぱっ。
 あたしの前に膝を突いた潮が、あたしの男の子を咥えている。柔らかい唇と舌と、咥内の唾液が、あたしのものを包み込んでいた。
 これ、やばい……! あたしの膝が、ガクガクと震えている。暖かくて湿った肉の感触に、あたしの男の子は折れる寸前よ! 今は立ってるので精一杯! なのに、潮の口は容赦なくあたしを攻め立てた。
 ちゅぱ、じゅるっ、れろっ。
(曙ちゃん、大丈夫?)
 あたしのものを嬲りながら、潮が視線で問いかけてきた。
「だ、大丈夫な、わけない……でしょ!」
 掠れた声で、あたしは言い返す。
 潮は応えず微笑んだ。
 うぅ、このぉっ……! でも何もできない……。
 そして口の動きをさらに加速させた。まるで触手の束のように、卑猥で的確な動きで、あたしの男の子を責めてたてていく。一体どこでこんな事覚えたのよ、この子はっ! 気持ち良すぎて腰が抜けて、もう立ってられない。
「あっ。ああっ、もう我慢できない……! 潮、出ちゃぅっ……! ああぁっ!」
 どびゅぅぅぅっ!
 あたしは潮の口に、大量の精子を吐き出した。
 あぁ、やっちゃった。痙攣するように腰を震わせてから、あたしは立っている事も出来ずに、その場に腰を落とした。なんか大切なものを失った気がする。
 見上げると、潮は口の中の精液をごくりと飲み込んでいだ。
「曙ちゃんの精子、美味しい」
 楽しげに笑いかけてくる潮。
 そして、潮はあたしの前に、自分のものを突き出した。
「次は曙ちゃんの番だよ」


 ちゅぱ、んくぅ、れろ……。
 床に座ったあたしは潮のものを口に含み、唇や下で愛撫していた。さっき潮にやって貰ったことを真似するように。こんな事やるのは初めてだし、上手く出来るといいけど。
「曙ちゃん、気持ちいいよ……」
 潮は両手で自分の身体を抱きしめ、恍惚とした表情を見せていた。
 感じてくれてるみたい。
 その事に安心しながら、あたしは潮の男の子をやさしく口で愛撫する。
 同時に。
 あたしは右手で自分の男の子に触れた。
「んっ……」
 さっき出したのに、まだびんびんに勃っているもの。さっきから触って扱いてと存在を主張している。それをたしは右手で上下に扱き始めた。しゅっしゅと手を動かすたびに、腰から全身に快感の電気が走る。
 ちゅる、はふっ、んっ、ぢゅる……。
 しゅっしゅっしゅっ……
 あたしは潮のおちんちんをしゃぶりながら、自分のおちんちんを扱いてオナニーしてる。頭がくらくらするわ。今は男の子の身体で、あたしたち物凄くイケナイことしている。でも、やめられない。
「曙ちゃん、出るっ! 全部受け止めて!」
「っ!」
 どびゅぅぅ!
 潮の身体が痙攣し、あたしの口に大量の精液が放たれた。
 舌を撫でる粘りけと生臭い味。本来なら不快なはずのその味と匂いに、でもあたしの身体はもっと熱くなっていく。ごくごくと潮の精液を呑みながら、あたしは自分のものを扱く手を加速させる。
 腰の奥から沸き上がる衝動。
「んっ、ああっ!」
 あたしは潮から口を離し、身体を仰け反らせた。もう我慢できない!
 どびゅっ、びゅるっ!
 男の子から白い液体が勢いよく吐き出される。


「ねえ、曙ちゃん、男の子って気持ちいいでしょ?」
「これは、予想以上だったわ」
 あたしと潮は両手を相手の身体に回し、抱き合っていた。硬い胸板を押し付け合い、勢いの衰えない男の子をお互いに擦り付け合う。
 男の子が触れ合うたびに、甘い痺れが身体を揺らした。
「あっ……」
「んっ」
 小さな乳首がこすれるたび、切ない衝撃にあたしも潮も身を縮ませる。
「潮……」
「曙ちゃん……」
 お互いに名前を呼び、あたしと潮は唇を重ねた。お互いの身体に腕を回し、胸とお腹を密着させ、舌と舌を絡ませ唾液を混ぜ合わせながら。
 二人のお腹に包まれた男の子が触れ合い、擦れ合い、押され合う。
 あっ、来ちゃう。
 何度も感じたお腹の奥から沸き上がる衝動。
「出る――」
「わたし、もっ!」
 どびゅるるるっ!
 あたしと潮は同時に射精していた。


 んっ、あむ、うんっ。
 床に寝転がり、あたしは潮の男の子を咥えていた。舌と口とで弱い部分を責め立てていく。あたしの口の中で潮は我慢するように耐えていた。
 あんっ!
 下半身から駆け上がる電撃に、あたしは思わず腰に力を入れる。危うく射精するところだったわ。でも、まだまだ大丈夫よ。
 潮もあたしの男の子を口で嬲っていた。
 お互いに逆向きに寝そべり、口で相手の男を責めていく。
 どこか朦朧とした意識のまま、あたしは潮とお互いの身体を貪っていた。



 部屋のお風呂で湯船に浸かり、あたしは大きく息を吐いた。大浴場はあるけど、
「さすがに疲れたわ……」
 ぺたりと胸を撫でると、小さいながらもはっきりとした膨らみが感じられる。そんなに長い時間男の子になっていたわけじゃないけど、この胸も懐かしいわ。
「今回の事はみんなに内緒だよ」
 頭を洗いながら、潮が言ってくる。
 こちらも駆逐艦上位クラスの豊満バストが復活していた。まったく羨ましい大きさね。でもま、大きすぎるのも不便らしいけど。浦風や浜風が時々ボヤいてたし。
「内緒って……こんな体験、言っても誰も信じてくれないって」
「それもそうだね」
 と、苦笑いをする。
 桶のお湯で身体の泡を流し、潮は腰を上げた。発育のいい胸を右手でそっと持ち上げ、左手で下腹部を一撫でする。白く柔らかな肌。
「曙ちゃん。次は、女の子に挿れてみたくない?」
「!?」
 びくんと身体が跳ねた。
 一瞬思考が止まり、数秒の間を置いて再起動する。
 潮の言った事を何度も繰り返し、その意味を噛み締める。大人しくて気弱そうな子なのに、潮は時々とんでもない一撃を放ってくるのだ。侮れないわ、まったく……
「考えておくわ」
 あたしは潮を見つめ、そう答えた。
 

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20/8/23