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第5話 明石の自業自得


「提督、完成しました! どんな艦娘もエロエロな気分になるお薬です!」
「………」
 とりあえず提督は沈黙を返した。
 キラキラと輝く得意満面な顔で、薄い赤色の液体が入った瓶を持ち上げる、長いピンク髪の工作艦。明石。空いた時間があったら工廠に来て欲しいと言われて、見せられたものがソレだった。
「また妙なものを」
 提督が差し出した手に、明石は小瓶を乗せる。
 安っぽいガラスの小瓶だった。
「これを飲めば、お堅いあの子も無邪気なあの子も真面目なあの子でも、エッチしたくてしたくて堪らなくなっちゃいます! どうぞ、ご自由にお使い下さい! 気になるあの子に飲ませ、ぐわっと押し倒しちゃいましょう!」
 楽しげに説明する明石をいったん思考からどかし。
 提督は瓶の蓋を開けた。
「ふむ……」
 鼻を近づけてみると、甘酸っぱい香りが鼻孔をくすぐる。瓶を傾け、液体を指に少し付けて舐めてみると、酸味を帯びた甘みがあった。それは記憶にある匂いと味である。
「イチゴシロップだな」
 提督は手早く結論を下し、左手を伸ばした。明石の顔面へと。
「うぎゅ!?」
 がっちりと明石の顎を掴み、握力で口をこじ開ける。いきなりの事に明石が目を丸くしているが、問題は無い。そのまま顔を上に向けさせ、瓶の中身を口へと流し込んだ。
 そして左手を放し、右手で鳩尾を軽く叩く。
 ごくんっ!
 と、口の中の液体が胃へと落ちていった。
 数秒の間を置いてから、明石が叫ぶ。
「の、飲んじゃったじゃないですかああぁぁ!」
「じゃ、遊んでないで、噴進砲改二の改修頼むぞ」
「ああっ! 提督、私の自信作、全然信用してませんね!?」
 がしと、上着を掴み、明石が吼える。
 提督は一度明石から視線を外し、ぽりぽりと頭を掻く。明石に視線を戻し答えた。
「どう見てもイチゴシロップだったし」
「確かに見た目も味も似てます、け――!」
 明石が一瞬動きを止めた。
 提督から手を放して、数歩後退る。表情に浮かんでいた怒りの感情が引っ込み、困惑の感情が浮かんでいた。頬を冷や汗が流れ落ち、呼吸が乱れ始める。
「あの、提督……これ、本物なんです……。どんな艦娘もエロエロな気分になるお薬って。いえ、ジョークじゃなくて、マジです。これ吸収力抜群ですから、飲んだらあっという間に物凄いエッチな気分になっちゃうんですよ……!」
「お前、本物の媚薬作ったのか――」
 提督は目蓋を半分下ろした。
 顔に滲む汗と、微かに震える身体。余裕の消えた明石の顔。身体の異常に耐えるように、背中を丸めている。さすがに演技ではないようだった。
「この明石、イタズラに妥協はしないのです!」
 親指を立てて、何故か勝ち誇る明石。
 提督は被っていた帽子を動かし、明石に背を向けた。
「それじゃ、薬が切れるまで一人で慰めてくれ。今回の件は見なかった事、聞かなかった事にするから。工廠も立入禁止の札をかけておく」
「待って下さい」
 歩きかけたところで制服を掴まれ、提督は動きを止めた。
 視線を戻すと、明石が引きつった笑みで、提督を見上げていた。足が震えていて、立っているのも辛そうである。
「これ、弛緩剤も入っているんです。一人で慰めるってのは、ちょっと無理そうです。あの、手伝って貰えます……か?」
 提督は無言で手を伸した。
 ふに。
「んっ……」
 胸の先端に触れられ、明石が身を捩る。
 くにくにくに。
「んぁっ……、ふにゃぁあっ!」
 身を竦め、明石は小さな悲鳴を上げた。胸を触られただけで、軽く達してしまったらしい。両手で胸を押えて、見上げてくる。真っ赤な顔で。
「いきなり何――」
 言いかけた明石を、提督が抱え上げた。右腕で肩を抱き、左腕で足を持ち上げる。いわゆるお姫様抱っこの姿勢だった。
 提督は明石を抱えたまま、休憩室に向かって足を進める。
「あれ? あれれー? あのぉ――提督……? これは」
「午後の仕事は明日に回してもいい仕事だし、せっかくだから明石の身体をたっぷり楽しませて貰おうかなーという気分になってね」
 提督はにっこりと明石に微笑みかけた。
「ああーっ! さっきまでめっちゃ面倒臭いみたいな態度してましたよね!? なのに何という熱い平返し! あーっ、誰か助けてー! 提督に犯されるー!?」


「あっ……んっ、あぁ……」
 交渉の休憩室にて、畳の上に仰向けに寝転がった明石。
 提督は制服の上からゆっくりと明石の胸を撫でていた。硬い服の向こうにある確かな柔らかさに笑みを浮かべながら、
「反応いいな」
「あっ。この明石の自信作ですから……!」
 力の入らない右手を持ち上げ親指を立ててみせた。得意げな顔で。
 提督は苦笑とともに明石の制服を脱がせていく。ボタンを外しシャツをはだけさせた。大きな膨らみを包むピンクのブラジャー。提督は迷い無くブラジャーを持ち上げる。
 露わになった戦艦クラスのバストを両手で掴んだ。
「んっ、少しは遠慮して下さい……! あっ、あっ……! 熱い……です!」
 豊満な肉を無遠慮に提督はこねまくる。もにゅもにゅと形を変える二つの乳房と、甘い声を上げながら身を捩る明石。手に柔らかな弾力が返ってくる。
 提督は指先で明石の乳首をこすりながら、疑問を口にした。
「で、あの薬どうやって作ったんだ?」
「んっ、高速修復材をベースにいくつか薬品を加えて作りました」
 引きつった笑みとともに答える。
 ちらりと視線を上げる提督。明石が使っただろう薬品がいくつか脳裏に浮かぶ。艦娘の身体に大きな作用を与える高速修復材をベースに、薬品を調合すればかなり強烈な効果のものが作れてしまう。
「二度とやるなよ」
「善処します」
「それとコレ、俺が誰かに使ってたらどうするつもりだった?」
 硬く起った乳首を指で弾きつつ、問う。今回は明石に呑ませてしまったが、気の迷いで他の娘に呑ませて襲ってしまったら大問題となる。当然、薬を作って提督に渡した明石も責任を問われるだろう。
 しかし明石は脳天気に笑いながら、
「提督がそんな事するわけないじゃないですか。あんっ……。どうせ引き出しにでもしまい込んでそのまま忘れて使用期限越えて、ただの酸っぱい液体になっちゃ――」
 くりくりくりくり。
「ひぃああああ! んにゃああああ!」
 提督は両手で容赦なく明石の乳首を捏ね回した。硬く勃った乳首を乱暴に摘まみ、ひねり引っ張り押し潰す。それらは全て快感へと変換され、神経を突き抜けた。
 涙を流しながら身を捩り、明石が悲鳴を上げる。
「あああああっ! 乳首っ! 駄目っ! あああっ! いいいいいっ! 提督っ! ごめんなさいっ! やめてっ、やめっ! イくっ! 胸だけで……! これっ、本当にイっちゃうのおおおお! んおおおああっ、ああっ!」
 びくっ、びくびくん!
「ひいいぁあああ!! もうやめっ! もう降参しまし……にああああ!」
 何度も派手に身体を痙攣させる明石。逃れようと身体を捩っているが、弛緩した身体ではまともに動くこともできない。ただ提督の攻めを甘受するしかなかった。
「はっ……。ひっ……」
 掠れた呼吸を繰り返す明石。提督はその背に腕を回し、明石の上体を抱え上げた。小さな絶頂を繰り返しながら、荒い呼吸を繰り返している。
 提督はピンク色の髪の毛を何度か指で梳いた。男とは違う滑らかな髪質。汗に湿った髪の毛が僅かに絡みついていくる。
「随分と出来上がったな。それじゃ、次はこっちだ」
 提督は明石のスカートのスリットへと手を伸していた。
「はひぅ!?」
 ショーツの上から秘部を撫でられ、明石が痙攣する。横のスリットからスカートの奥に差し込まれた提督の右手。生地の上から秘部に指先を這わせる。すりすりと。
「ひっ、はっ! あっ! ああっ! そこっ……! 待って、まだっ! あっ、はっ、心の準備がっ! 提督っ! 私、こういうのっ、初めてでっ……!」
 つぷ。
「んあああっ!?」
 提督の指が明石の中へと入り込んだ。
 濡れた軟らかな肉が指先に絡みついてくる。指先を曲げ、軽く内側をひっかく。
「あっ――! っ……! はっ……!」
 明石の喉から掠れた悲鳴が漏れる。
 提督は指を引き抜いた。微かに粘性のある透明な液体に濡れた指先。それを口に含む。かすかにしょっぱい。にっこりと明石に笑いかけながら、
「それじゃ、そろろそ入れさせて貰うぞ?」
「ひっ!」
 提督がズボンを下ろすと、激しくいきり立ったものが露わになった。
 顔を真っ赤にして、しかし明石はソレをがっつりと凝視する。
「それ、入るんですか!?」
「普通サイズだから大丈夫だよ」
 軽口を返しながら、提督は明石の両足を広げた。筋肉が弛緩しているため、抵抗することもできない。しっとりと濡れたピンク色のショーツを脱がせる。
 ピンク色の陰毛が少し生えた秘部。淫猥な匂いを漂わせながら、
「あ、あんまりじっと見ないで下さい!」
「行くぞ」
「ま、待っ――」
 提督は両手で明石の腰を持ち上げ、濡れた秘部へと自分のものを押し当てた。そして、ゆっくりと奥へと押し込んでいく。絡みつく肉の感触に、背筋が振るえる。
 提督のものが根元まで明石の中へと差し込まれた。
「! っッ!」
 きつく目を閉じて身を強張らせる明石。
 ゆっくりと目を開けて、震えながら提督を見上げてくる。
「はっ……! て、提督……まだ、動かないで――下さい……! って、何邪悪な笑み浮かべてるんですか!?」
 慌てる明石。
 提督はにんまりと笑みを浮かべ、腰を動かした。
「あああっ! あっ! 待って下さ……あああっ! 駄目ですっ! 動かないで、って言ったのに! あああっ! おがじぐなるっ!? 死んぢゃう――!」
 激しく膣奥を突かれ、両目から涙を流しながら、明石が悲鳴を上げる。軽く奥を突かれるだけで身体は絶頂に突き抜けていた。
 提督は激しく揺れる明石の胸に手を伸す。胸を揉み、乳首を弄りながら、さらに腰の動きを深く大きく加速させた。
「おおおおおっ! ああっ! 提督、ストップ! 胸は駄目って……! あっ、ああっ、んんんっ! 止まって――おおおおおっ! これ、ダメっ! イく! イきっぱなし、なのにっ! またっ! あああああっ!」
 明石は激しく身体を震わせる。
 同時に、提督も明石の置くへと精を解き放っていた。



「おおっ、あおっ! 提督……ああっ、はひっ、はっ!」
 背後から膣奥を突かれ、明石が甘い悲鳴を上げる。
 既に服は全て脱がされ、一糸まとわぬ姿となっていた。両手で折り畳んだ座布団を抱きしめ、尻を高く突き出している。艶めかしく丸いお尻に、提督は腰を押しつける。
「このあたりどうだ? 後ろから突くと、また違うもんだろう?」
 ぐりぐりと奥をこねるように。
 明石は身を捩り声を漏らした。
「おおおぉぉ!? 気゙持゙ぢいいですぅぅ! 奥っ、あああっ!」
「それじゃ、こうやって胸を揉むのは?」
 提督は明石の身体を抱きしめ、両手でたわわな乳房を持ち上げた。手の平に余る大きさの肉を両手でこね回す。
「ああぁ、ぁぁ……! 好き……ですぅ……。これ、いいぃ……あぁぁぁあぁ!」
「乳首は?」
 くりくりくりくり。
「あああぁぁ……! これ、凄い、ああっ! 乳首くりくり……! 頭まっしろになりまずぅぅ……! ああっ、やめて……やめないでぇぇ――! うあああぁぁぁ!」
 甘い悲鳴とともに悶える明石。
 提督はその耳に軽く噛み付いた。
「ひぅ!?」
 明石の身体が跳ねる。
 提督は明石の耳を口に含み、甘噛みを始めた。弱く噛み、舌で舐め、一度口を放して息を吹きかけ、再び口に加えて軽く噛む。がくがくと明石の身体が震え、
「はひっ! ひっ! えっ! いひゃぅ! 耳でイっちゃ……あああっ!?」 
 

 日は沈み、部屋は既に暗くなっている。
 提督は仰向けの明石を抱きしめ、ゆっくりと腰を動かしていた。とろとろに解けた秘所が、提督のものに絡みついてくる。もう何度出したかも覚えていない。
「提督ぅ……。好きです……気持いいですぅ……」
 両手を提督の身体に回し、酔っ払ったような口調でそう言ってきた。度重なる絶頂によって思考が溶けてしまったのらしい。
「よしよし」
 身体を起こし、提督は明石の身体に手を這わせる。お腹から胸、胸から脇、腕へと。ゆっくりと揉みほぐすように。滑らかな肌の手触りが心地よい。
「あああぁ……。提督ぅ……。もっとぉ……気持ち良いいの……」
 提督は明石の身体を抱き上げ、そのまま唇を重ねた。
「んっ! ふ……ッッ! ぅぅぅ――……!」
 明石の身体が激しく震える。涙をこぼし、あちこちの筋肉が引きつっている。口付けだけで達してしまったらしい。
 唇を放すと、明石がにへらと笑ってみせる。
「提督、好き……んっ!? ぁぁ――んっ……! ぅぅ……っ!」
 提督は再び明石に自分の唇を重ねた。



 工廠休憩室に併設された風呂場。
 それほど広くない洗い場で明石と提督は一糸まとわぬ姿となっていた。風呂椅子に座った大人しくしている明石と、後ろからその髪を洗う提督。
 わしわしと明石の頭に指を走らせながら、問いかける。
「はーい、痒い所ありますかー?」
「もうちょっと右ー。あーそこそこー! あぁー!」
 つま先をひくひくと動かしながら、明石が声を上げた。
 わしわしわし。
「あーっ、効くぅーっ!」



 暖かな湯船に浸かる提督。そして、明石は提督に寄りかかるように湯船に浸かっていた。洗った髪の毛は頭の上でまとめて、タオルで止めてある。
「私の身体どうでした? 気持ち良かったですか?」
「正直やりすぎた……」
 提督は苦笑いとともに応えた。
 明石が振り返り、悪戯っぽい笑みを浮かべて見せる。
「また気が向いたら媚薬作りますね?」
「…………」
 提督は何か言おうとして、結局沈黙を返した。

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21/2/28