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おまけ お仕置き


 前回のあらすじ
「ところで……山城、提督――」
 そう言いながら振り返った扶桑は、長匕首を一本抱えていた。酷く楽しそうに微笑みながら、白樫の鞘から刀身を抜き放つ。
「私に、何をしました?」
 銀色の刃が、白く輝いた。
「!」
 ツクモと山城は言葉もなく。
 その場に膝をつき、しめやかに土下座した。

「提督、山城と私の身体ってどう違います?」
 楽しげに笑ったまま、扶桑が聞いてくる。
「えっと……」
 ベッドに仰向けにされたまま、ツクモは視線を泳がせた。
 色々あって現在は山城になっている。扶桑から元の身体に戻った時と同じ方法で、山城の身体に意識を移す事ができた。相手の意識があっても、問題無く身体の制御権を得ることができるようだ。
「頭が軽い事かな……」
「なるほど、確かに。山城は私と違って髪の毛は短いですからね」
 納得したように頷く扶桑。
 仰向けになったツクモの、腰のあたりに乗っている。乗っているといよりは、完全に重心を押さえ込まれていた。逃げ出せない。
「ところで……」
 扶桑の手が、生地越しにツクモの胸に触れた。
「私と山城の身体って、感じ方違うのでしょうか?」
 そのまま両手でゆっくりと胸を撫で始める。マッサージのように優しく力を込めて、餅を捏ねるように力を変えて。胸の膨らみが、扶桑の手に合わせて形を変えている。
「んっ……」
 じっとりと身体が熱を帯びていた。
 扶桑が、ツクモの上衣をはだける。山城の身体で、着ているものも山城の服だが。上衣を左右にはだけ、そのまま器用に脱がし、ブラジャーも同じように脱がしてしまった。
 あっという間に上半身の衣服が消えた。
「きれいな肌ですね。山城ももっと自分に自信を持っていいのに」
 そう呟きながら、扶桑の手が、ツクモの胸に触れた。
 優しく丁寧に、大きな乳房を揉みほぐしていく。扶桑の手の動きに合わせて、柔らかく形を変えていくふたつの膨らみ。時折お腹や肩、腋が撫でられた。
「提督、気持ちいいですか?」
「ん……。ふっ……」
 視線を逸らし、ツクモは小さな呻きを返した。じんわりと胸から全身へ、甘く切ない熱が広がっていく。身体が熱を帯び、しかし妙に喉が渇いていた。
 扶桑は少し考えるように視線を上げ、ツクモの乳首を摘まむ。
「んあっ!」
 思わず声が漏れ、ツクモは口を押さえた。
「提督はこれがいいんですね? ふふ。分かりました」
「ん! あっ、待て! ひゃぁあっ!」
 慌てて止めようとするが、扶桑は止まらない。
 楽しそうに微笑みながら、両手でツクモの乳首をこね始める。くにくにと丁寧に、しかし嬲るように執拗に。オモチャで遊ぶ子供のように。
「おい、扶桑! あっ……! んんんあっ! ちょっ……待て! ひゃうっ! 扶桑……あっ、あああっ! ひっ! やめて……はひっ! 待て……! 待っ、んんっ!」
 指が動くたびに全身を透明な衝撃が貫く。胸から脊髄へ、脊髄から脳へ、全身へと駆け抜ける演劇。ツクモは扶桑を止めようと腕を動かすが、神経が痺れてまともに動かない。
 身体を包む浮遊感。背筋に電気が走るたびに、意識がどこかへと飛びそうになる。
「あ……あっ……」
 朦朧とする意識。口元から垂れる涎を拭うこともできない。
「はむ」
「ひゃぅ!」
 扶桑が身体を屈め、ツクモの右胸を口に含んだ。今までとは違う、生暖かく濡れた感触に、ツクモは小さく身体を跳ねさせていた。
 右手の動きはそのままに、扶桑は舌と歯を使ってツクモの乳首を嬲り始める。
「ああっ! 扶桑! ちょ、はひっ……あっ、やめて……! あんっ、んんっ、はひっ! おかしくな……! ダメ! ひぁ、俺が……あっ、悪かっ、んんんッ!」
「大丈夫ですよ、提督。私、怒っていませんから」
 顔を上げ、扶桑は楽しげに笑いながら言ってくる。しかし、その言葉をそのままの意味として信用する事はできない。
「でも、ちょっと好奇心はあります」
 右手だけでツクモの胸を弄りつつ、扶桑がそう笑い。
 するり。
 と、左手をスカートの中へと入れた。
 無防備な太股を優しく撫で上げる。
「ひっ」
 背筋を走った電気のような衝撃に、ツクモは息を止めた。
「ここからですよ、本番は」
 そんな前置きとともに、扶桑はショーツの上からツクモの秘部をなで始める。数度、具合を確かめるように指を動かしてから、ショーツの縁から奥へと指を差し込み。
「提督、行きますよ?」
 酷く優しげに言ってくる。
「それは……やめッ」
「えい」
 つぷり……。
 と、扶桑はツクモの――否、山城の膣内へと指二本を差し込んだ。
「!」
 体内に異物を入れられる感覚に、ツクモは呼吸を止めた。
「次は、これでどうでしょう?」
 ゆっくりと指が動き出す。奥まで差し込み、それから入り口まで引き抜き、完全に抜かず再び奥まで差し込んだ。それらがゆっくりと繰り返される。
「ん……。ぁん……」
 今までとは違った感覚に、ツクモは身体を強張らせた。言葉にはできない奇妙な感覚、自分の身体でないものが、自分の中を動いている。
 じっとりと熱を帯びる下腹部。
「ふふ。気持ちいいんですね。だんだんと溢れてきましたよ?」
 扶桑が楽しそうに、説明してくる。
 ツクモは何も言えず、自分の顔を押さえた。
「次は、これですね」
 くぃ。
 と、膣内で扶桑が指を曲げた。
 その瞬間、目の前に星が散る。
「ん! あ――! ああッ……! んんんん……ァ――!」
 強烈な性感が、ツクモの脳髄を叩いた。視界が白く染まり、音が消える。あまりの衝撃に、身体を大きく反らし、声にならない声を上げる。強烈な快感が、意識を焼き、思考を吹き飛ばした。
「まだまだですよ。もっと気持ちよくなって下さいね、提督」
 きゅっ。
 と、扶桑の右手が淫核を摘まんだ。
「待っ――! それは! はっ――ダメ……! かっ! ッ―――!」
 のたうち回るように、布団の上で悲鳴を上げるツクモ。快感の中枢二カ所を同時に攻められ、神経が焼け付くような快感が脳を直撃している。
「ああっ! ふそ……ああっ! やめ……」
 両手で口を押さえ必死に声を上げるが、扶桑は全く聞いていない。どこか嗜虐的な笑みを浮かべながら、指を膣奥まで押し込んだ。
「ぐ! ああ……あ……! あああああああっ! ンンン――ああああっ ……」
 ツクモは身体を仰け反らせ、咆える。男には想像すら付かないレベルの快感。身体が全く言う事を利かない。腰が跳ね、全身の筋肉が不規則に痙攣。頭の中に何度も火花が散り、ただ悲鳴じみた声を吐き出していた。
 やがて。
「うぁ……ぅ……」
 糸が切れたように、ツクモはその場に崩れた。
 ふと扶桑が顔を覗き込んでくる。イタズラをやり遂げた子供のように笑っていた。
「提督、満足していただけましたか?」
「……」
 言葉は出てこない。
 続けて、扶桑は自分の胸に手を当て、
「もし女性の身体に興味があるなら、私でよければいつでも貸しますよ」
「え?」
 ツクモはただ一言呟いた。

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18/8/19