Index Top 第7話 夏の思い出? |
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第8章 浩介の仕返し 中編 |
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浩介が取り出した術符。 千円札ほどの大きさの丈夫な和紙に、墨で幾何学的な文様と『分身』という文字が描かれていた。そして、術符全体に見える薄い法力。 「面白いこと……?」 リリルが訝しげにそれを見つめている。 草眞から貰った術符で、あらかじめ術式が組み込まれているのだ。これを使えば、浩介がまだ使えないような術を使うことも出来る。 「上手くいってくれよ――。分身の術」 術符に法力を通し、浩介はそれを軽く放った。 空中に漂う術符から法力が展開され、瞬く間に浩介の分身を作り上げる。 身長百七十センチほどの狐神の女。シャツとズボンという部屋着姿をそのまま実体化させた。しかし、狐耳も尻尾も力なく垂れていて、瞳も虚ろで意識は無い。本来分身の術は自分の意識の一部を込めて作り上げるのだが、浩介の技術ではそこまで器用なことはできなかった。符の術式にもそこまでは組み込まれていないらしい。 「ほい。ま、これなら大丈夫かな?」 凉子が倒れかけた分身を抱き止め、少し観察する。それから、糸の切れたような分身をベッドに寝かせた。さながら人形のようにベッドに仰向けになっている分身。 「お前、何する気だ?」 警戒の眼差しを解かぬまま、リリルが再び同じことを尋ねる。 凉子は一度リリルに目を向けて、にやりと笑った。明らかに危ないことを考えている笑顔。両手を向かい合わせて複雑な印をいくつも結ぶ。 その印を見つめ、リリルが金色の瞳を見開いた。 「……おい、それ」 「憑依の術」 凉子が浩介の分身に両手を触れさせる。水面へと沈むように、両手が分身へと吸い込まれた。そして、両手から飛び込むように、分身の中へと身体が消える。 虚ろだった分身の瞳に、意志の光が灯った。両手を持ち上げ、目の前で何度か握って開く。ぴくりと狐耳と尻尾を動かしてから、その場に身体を起こした。いつの間にか、頬からヒゲが生えている。 「うーん、成功かな? でも、何だか思うように身体が動かない……。やっぱり憑依の術って難しいね。私も実際に使うの始めてなんだけど」 両腕を動かしながら、笑ってみせる。ベッドに座ったまま、ゆらゆらと尻尾を左右に動かしていた。凉子の力では、意識の無い分身体への憑依が限度らしい。元々、死神である凉子が憑依の術を使う機会もない。 「姿同じなのに、浩介とは別人だな。てか、何考えてるんだよ……」 ベッドに座ったまま、胡乱げに凉子を見つめるリリル。 外見は狐姿の浩介であるが、雰囲気は凉子である。そして、浩介の分身に凉子が憑依した理由と、これから自分に何が起るのかが分からず、不安なのだろう。 蛍光灯の明りが照らす静かな室内。 凉子はベッドから立ち上がり、無造作にシャツとズボンを脱ぎ捨て下着姿になった。水色のブラジャーとショーツ。どこにでも売っている下着である。 ベッドに腰を下ろし、凉子は両手で胸を触りながら、尻尾を動かしていた。 「こうしてみると、浩介くんの胸って結構大きいね。それに張りもあるし柔らかいし。あと、下着はもう少し色気のあるもの着た方がいいよ」 「お構いなく」 そう告げてから、浩介はリリルの頭に手を置いた。 「リリル、やれ」 「!」 びくりとリリルの肩が動いた。 あらかじめ仕込んだ命令通り、自分の意志とは関係無く身体が動き出す。両手を向かい合わせて魔力を練り込んでから、短い呪文とともに魔法を構成した。その魔法を見て、露骨に顔を引きつらせているが、拒否することはできない。 リリルはベッドに座った凉子の下腹部に手をかざし、 「Erection the Rod」 魔法を発動させる。 「ん……」 微かにくぐもった凉子の声。魔法によって作られた男性器が、ショーツを押し上げる。 凉子は狐耳と尻尾を動かしながら、股間に現れたものをこわごわと右手で撫でていた。羞恥心からか、頬が赤くなっている。自分に男のものが生えるのは初体験だろう。 「何か、変な感じ」 「お前ら、変態か……」 明らかに引いているリリルに、浩介は気楽に笑いかける。 「変態であることをお前に言われる筋合いは全く無い。凉子さんが男の感覚を知りたいって言ってたからな。そういうわけで、こういう事になった」 無言のまま、リリルが頭を抱える。 男性器を作り出す魔法。それは、身体に男の情報が無いと発動しないらしい。普通に使っても、生まれついての女である凉子に効果はない。そこで、男の要素を持つ浩介の分身に凉子を憑依させ、その状態で使ったのだ。結果は成功である。 浩介は上着のポケットから新しい術符を取り出した。 「リリル――」 呼ばれて顔を向けてきたリリルに、続けて命令する。 「命令だ。これから俺がお前に憑依するけど、一切抵抗するな」 「待て……!」 浩介は右手に握った術符に、ありったけの法力を込めた。 展開される憑依の術の術式。それを見て、リリルが目を見開き、焦燥の冷や汗を流している。だが、逃げることはできない。凉子は興味深げに浩介を見ていた。 「行くぞ……。ちゃんと俺を受け入れろよ」 術符を持った右手がリリルの背中に触れる。 途端、右手から浩介の身体が分解し、リリルへと吸い込まれる。右手から右肩、身体、頭、両足までが溶けるように小さな身体へと吸い込まれた。 五感が全て消え、元に戻る。 視界の位置がかなり下がり、全身を熱い火照りが包み込んでいた。ワンピースの生地とつんと経った乳首が触れ合う、痺れるような感覚。視線の先には淡褐色の両腕が見える。憑依の術はとりあえず成功したらしい。 だが、予想いていたのとは雰囲気が違っていた。 「どう、浩介くん?」 「? あれ、何ともない……。身体乗っ取られると思ったのに」 興味津々な凉子の問いに、リリルはそう答える。両手を動かしてから、身体を左右に動かし、尻尾を振っていた。窓から、机、本棚、ドアを通ってから、浩介の姿をした凉子を見やる。浩介に入り込まれて身体を支配されると思ったのだろう。 「リリルのままだね?」 (動かせない……) 浩介は思考だけで、そう呻いた。 憑依しているというのは漠然と分かる。リリルとの五感の共有も起っていた。だが、浩介の意志でリリルの身体を動かすことができない。抵抗を完全に削った状態でも、相手に入り込むのが限度らしい。入り込めただけでも御の字かもしれない。 「失敗したのか? アタシにとってはそっちの方が都合いいけど。何とか追い出せないものかな。身体ん中に居られるだけでも気持ち悪い……」 そんなことを愚痴るリリルに。 浩介は命じた。心の中で。 (リリル、右手上げろ) すっと、リリルが右手を上げた。細いながらも、バランス良く筋肉と脂肪の付いた淡褐色の肌の腕。無駄なく力が伝わり、挙手するように真上に向けられている。 「?」 表情に疑問符を浮かべて右手を見上げるリリルと凉子。 いきなり右手を上げた意味が分からないのだろう。凉子はともかく、リリルも何故自分が右手を上げたのか分かっていない。命令されたことに気づいていないようだった。 (なるほど、俺の命令は伝わってるってことか。本人に自覚は無いみたいだけど、これはこれで面白いな……。リリル、服と帽子を脱げ) リリルが右手を下ろし、両手をワンピースの裾に掛ける。 「な、んだ……?」 両腕を持ち上げて、ワンピースを脱ぎ捨てた。白い服がベッドに落ち、冷房の掛けられた部屋の空気が素肌に触れる。頭に被っている猫耳帽子も脱ぎ捨てた。 それでリリルも状況を理解したらしい。声を荒げる。 「コースケの仕業か! アタシの身体から出てけ!」 「狐耳出てる……」 凉子の言葉に、リリルが頭に手を触れる。銀色の髪の毛から飛び出した狐耳があった。尻尾部分はリリルの尻尾に重なっているようだが、重なる部分のない狐耳は身体からはみ出してしまうらしい。それはどうでもいいことだった。 (とりあえず凉子さんを押し倒せ) 浩介の命令通りに、リリルの身体が動く。 素早く左手を伸ばして凉子の肩を掴み、引き寄せるようにベッドに押し倒した。 「にゃァ!」 さして抵抗もなく倒れる凉子に、リリルは素早く乗っかった。ちょうど下腹部の辺りに馬乗りになるように。直履きのスパッツ越しにから、股間に生えたものが触れる。 「リリル?」 「アタシがやってるんじゃねぇ! コースケに文句言え! アタシん中から命令してるんだよ。あいつが何命令してるか知らないけど、身体が勝手に動いちまう」 言いながらも、身体の動きは止まらない。両手でブラジャーのフロントホックを外し、胸をはだけさせた。音もなく揺れる形の良い乳房。自分の身体なのだが、他人の視点から見ると妙に色っぽい。 (俺ってこんなんだったかな……? まいいや、リリル、胸を攻めろ) リリルの右手が凉子の左胸を優しく揉みながら、人差し指と親指で乳首を軽く摘み上げる。右手から伝わってくる柔らかく弾力のある感触。左手で乳房の縁を丁寧に撫でていた。命令通りに両手で胸を攻めるリリル。 「んッ。ふぁ……。リリル、上手いよぉ」 凉子の喉から甘い声が漏れた。 浩介の身体はどこをどう攻めればいか分かっている。以前口にしていた言葉通り、的確に凉子の――浩介の分身の感じる場所を攻めていく。 「あっ、何これ……? んんッ、浩介くんの、身体って――私とは、全然違うッ、ん! あぅ、ふぁっ。なんか、凄く感じる……! 気持ちイイ……!」 口元を右手で押え、凉子が困惑に身をよじった。狐耳と尻尾がぴくぴくと跳ねて心地よさを表現している。 (もっと凉子さんを感じさせろ。ついでに、下もだ) 「コースケェッ!」 必死に反発するリリルだが、命令に逆らうことはできない。意志とは関係なく身体は動きを開始していた。凉子に抱き付くように身体を屈めながら、右手で胸を弄り、首筋に舌を這わせる。 「ん……あ……」 リリルの喉から小さく声がもれた。さきほどの浩介の命令で性感帯となった咥内。小さな舌が滑らかな肌を嘗めるたびに、口から背筋へと甘い痺れが駆け抜けていく。寒気のような感覚とともに、体温が上がっていくのが分かった。 さらに、左手が凉子の股間に生えたものに触れる。 「ああっ、ふあぁ! 何か熱い、ンんぁっ、リリルっ……」 リリルの左手が魔法によって作られた男性器を上下に扱いた。丁寧な手捌きに、半勃ちから瞬く間に万全の状態へと変化する。もっとも、それほど大きなものではない。手の平に感じる、脈打つような男のもの。 「これから何するつもりだ、コースケ……」 息を荒げながらリリルが訊いてくるが、答えることはない。 (俺はお前に直接声かけられないからな。ま、何をしたいかは想像できないわけじゃないと思うけど。とりあえず凉子さんを攻めながら、自慰しろ) 「!」 言われたことを理解したわけではないが、自分の動きで何をしようとしているのかを察したのだろう。命令に従い、右手が自分の胸に触れた。小さな膨らみから、電撃のような快感が駆け抜ける。酷く敏感な神経が、過剰な快感を作り出していた。 「ああ……ぅああ……」 リリルの喉から絞り出される抑えた呻き声。右手で小さな胸を触りながら、左手で凉子の胸を弄る。慣れた手の動きに合わせて形を変える、大小の乳房。 「ん、浩介くん。ふふ、ぁんっ。にゃは、私も、手伝ってあげる……」 力の入らない両手を持ち上げ、凉子がリリルの薄い胸に触れた。大きな両手で、薄い胸板を撫で始める。小さな胸を包むように揉みながら、時折指先で乳首を攻めた。溢れる快感に手足が引きつっているが、リリルの動きは止まらない。 リリルは自分の胸から手を放し、両手で凉子の胸を揉み始めた。 (こいつは、凄い……!) 全身を包み込む燃えるような快感に、浩介は無言のまま唸る。エアコンによって冷やされた部屋の空気が熱く火照った身体に心地よい。 勝手に動く身体に抵抗するように、リリルが声を上げた。 「やめろ、リョーコ……コースケッ!」 「ぅんん……。リリルがやめたら、やめてあげる……。にゃははぁ、こういう小さい女の子もいいかもね……ンあっ! それに、浩介くんの身体って気持ちいい……」 お互いにお互いの胸を刺激し合いながら、そんな言葉を交わす。 ベッドに両膝を突き、リリルは腰を持ち上げた。太股の動きで腰を前後に動かしながら、股間の割れ目で凉子のものを扱いていく。スパッツ越しに秘部から背骨を駆け上がっていく熱い奔流。股間がじっとりと濡れているのが分かる。 「くっ、あっ、アタシがやってるんじゃねぇ! コゥ、スケがやらせてるんだ。くぅ、いい加減にし、ろッ! アタシはお前らのおもちゃじゃねェ!」 「男の子って、んっ、こんな感じなんだ……」 擬似的なものとはいえ、男性器という未知の器官から広がる未経験の感覚に、凉子は右目を閉じる。それでも、左目を開いたままリリルの身体を――浩介の命令通り痴態を繰り広げるリリルを凝視している。 リリルの快感を体感しながら、浩介は次なる命令を出した。 (そろそろ、中に入れろ) 「て、待て――!」 一度腰を上げてから、スパッツを太股辺りまで下ろす。露わになった、しっとりと濡れた秘部。割れ目が凉子のものを受け入れるように広がっていた、リリルの焦りが手に取るように分かるが、身体は止まらない。 凉子は両手で自分の口を押えたまま、ショーツからそそり立つものを見つめている。頬を紅潮させたまま、両目を見開いていた。 リリルはそれを右手で支え、自分へと狙いを定める。 「待てって……んァ!」 「あっ」 小さな膣口と、凉子のものが触れあった。妙に大きく耳に響く、湿った音。リリルが腰を下ろすにつれ、凉子のものが小さな膣を裂くように入り込んでいく。幸い痛みは無い。体内へと異物が侵入してくる独特の感触に、身体が震えていた。 身体を強張らせるリリルが、歯を噛みしめる。 「くっ……やめ、ろ、コースケ……!」 「なんか、凄い、よ……。熱い……!」 未知の感覚に、凉子が喉を鳴らした。男の性器を女の中へと挿入する。女としてはおそらく一生味わうことのないことだろう。 そして、凉子のものがリリルの中に全て飲み込まれた。下腹から喉元まで突き上げられるような、衝撃とともに膣が締め付けられる。 「ふあッ! ああ、あっ!」 凉子の身体が一度大きく跳ねた。同時に、膣の奥へと精液が解き放たれる。じわりと身体の奥から全身へと熱が広がっていった。 十秒ほど初めての感覚を味わってから、凉子が小さく呟く。 「今のが……射精……?」 「そーだよ……」 短く答えるリリル。下腹部から手足の先まで、波紋のような性感が走っている。顎に力が入らず、歯の根が合わない。身体の震え。呼吸も引きつっていた。 通常時では得られない快感だろう。だが、浩介は構わず命じた。 (リリル……。このまま一気に攻めろ! 自分も、凉子もな!) 「ああ、あっ! コースケッ、もう止めろ! 本当に、ぅあぁぁ!」 リリルがその場で腰を上下に動かし始める。セミダブルのベッドが二人分の体重に揺れていた。中のスプリングが軋むような音。 さらに、左手で自分の胸を触りながら、右手で小さく膨らんだ淫核を摘んだ。 「いいッ! あ――!」 「ちょっと待って、リリル! そんなに動かないで……って、私もまた――ああッ!」 リリルの中に挿れたままのものが、再び精液を解き放つ。普通なら一度射精するとしばらくは射精できない。だが、リリルの魔法によって作られたものは、精液を作り出す力が空っぽになるまで、何度でも射精できるのだ。 騎乗位のまま、凉子のものを小さな膣で絞り上げ、両手で自分の身体をまさぐりながら、リリルが怒りと困惑の混じった叫びを上げる。 「あッ、アタシだって、くっ、ぅ……ぁ……好きで、やってるわけ、じゃねぇ! ふあぁ、コースケの命令で、んうぅぅ……! 身体が勝手に、っ、動いてるんだよ!」 「浩介くんっ! ちょっと、休ませて……んんん、あぁッ!」 きつく両目を閉じ、両手で口元を押え、凉子が再び射精する。 ぐにぐにと嬲るるように腰を動かしたまま、リリルは身体を前へと傾け、つんと勃った凉子の乳首を口に含んだ。柔らかいグミのような弾力を甘噛みしながら、舌先で嘗める。その間にもリリルの左手は自分の小さな胸をイヤらしく揉みしだいていた。 「ふあぁぁ、んんん――もう、おかしくなっちゃう……!」 「うんぅ……いい加減にしろ、コースケ……!」 お互いに絡み合うリリルと凉子。二人が感じる快感は既に許容量を越えたものになっているだろう。リリルの身体に憑依した浩介も、燃えるような陶酔感を味わっていた。 だが、さらに命令を出す。 (リリル、狐耳だ。凉子さんと、自分の) 甘噛みしていた胸から口を放し、リリルが凉子の狐耳へと右手を伸ばす。三角形の狐耳を包むように指で弄りながら、狐耳の中へと親指を差し込んだ。 「にゃああッ! ああッ、リリルっ……それ、駄目! ダメ、駄目ェッ!」 がくと身体が跳ね、四度目の射精を行う凉子。小さなリリルの膣に何度もはき出される白い粘液。中に収まり切らず、繋がった分から少しこぼれているようだった。 「だから、アタシに言うな――ヒッ!」 左手で頭に生えた狐耳を掴み、リリルは短い悲鳴を上げる。狐耳自身は浩介のものであるが、その感覚はリリルにも伝わっているのだ。目元から涙がにじむ。 狐耳を揉むように触り、狐耳の中に指を差し入れ、そこを嬲るように弄る。 「ひぃあ、ああっ! 待て、ふあぁ! 何だ、何だこれ……! あ、あぁ……っ!」 獣族でないリリルにとって頭の獣耳を弄られるのは初めての体験。ましてや、今のように性感帯同様となった狐耳を攻められ、限界を超えた快感を生み出していた。あえなく絶頂へと突き抜けるリリルの身体。 手足が痙攣し、膣が強く締め付けられる。 「ふあっ、リリル……そんなに、締め付けないでェ! にあああッ!」 その締め付けに、凉子は五度目の射精に至っていた。完全に発情した身体で、魔法によって作られた男性器に、続けて襲いかかる男としての快感。 (まだまだ、行けるかな? 凉子さんの中に尻尾を入れろ) 今まで適当に動いていた尻尾がぴたりと止まる。頭の狐耳を弄るのを止め、リリルが涙目のまま振り返って自分の尻尾を見つめた。 黒い鞭のような尻尾で、先端が三角形の槍のようになっている。弾力のあるゴムのような魔力の塊で、かなり自由に動くらしい。リリルの言葉では。 尻尾がおもむろに下がり、凉子のショーツの上から割れ目をなぞった。 「きゃぅ……それは、ちょっとやめて……。あああッ! ふにああッ!」 「うっ、あ……っ!」 尻尾が凉子の中へと挿った途端、凉子とリリルの両方が悲鳴を上げた。尻尾の先で器用に膣内のGスポットを弄られ、身体を震わせ絶頂を迎える凉子。手足が何度もこわばり、リリルの膣に差し込まれたものから立て続けに精液を吐き出す。 リリルも命令によって敏感になった尻尾を強く締め付けられ、なすすべ無く絶頂を迎えていた。尻尾から背骨を通って、脳まで駆け上がる甘い電撃。手足の筋肉が収縮し、背筋を反らし、膣を強く締め付ける。 「あっ、あっ……ふああぁっ……」 それによって、搾り取るように凉子のものから精液が吐き出される。 凉子もリリルも、本来なら得られるはずのない快感を何度も受けて、何度となく達している。だが、まだ余裕はあるようだった。 (どこまで行けるかな。リリル、このまま快楽を思い切り貪れ……!) 浩介は無意識の中から、リリルにそう命令を向ける。 凉子の初体験は、失神寸前になるまで続いた。 |