Index Top 第5話 割と平穏な週末 |
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第3章 男で女で狐で |
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リリルがズボンのチャックを下ろす。 ぴんと跳ねるように逸物が飛び出す。日本人平均の五割増しほどの大きさで。凶悪なオーラのようなものを放っている。なにやら脈打つほどに。 「これはこれは……実にご立派な」 顎に手を当てて、リリルが感心している。ふらふらと揺れる尻尾。 浩介は喉を引きつらせながら、言い返した。 「お前がやったんだろ……!」 「細かいことは気にすんな」 気楽に言い切ると、人差し指で亀頭を弾く。 「はぅ!」 びくりと背中が跳ねる。普段男の姿でいる時は、男のモノも生えているし、普通に勃つこともある。だが、これほどの感度ではない。 「あと、アタシの膣に入れたいってのはナシな」 「分かってるって――っあ」 リリルが竿を握り締めた。それだけで、身体が痺れる。 「女の子にこんなことされたの、初めてだろ?」 「当たり前に、決まってるだろ」 「じゃあ、コレは凄いぞ」 かぷり、と。 リリルが逸物を口に含んだ。柔らかい口内の肉、微かな粘りけと暖かさ帯びた唾液が、陰茎へと絡み付く。舌先が亀頭を撫でた。 浩介はぐっと歯を食い縛り、口を押さえた。声が漏れそうになるのを耐える。 「頑張れよー」 他人事のように言うなり、リリルが口技を開始した。 「んー……!」 咥内の柔らかな肉が陰茎を包み込む。それだけで射精に至るほどの快感が、股間から脳天まで突き抜けた。だが、それだけでは終わらない。 微かにざらつきを持つ人間とは少し違う舌。それが生き物のように蠢きながら、陰茎へと絡み付く。弱点を知っているかのように――実際、リリルの作ったモノだ。弱点も熟知しているのだろう。舌が不規則にモノを刺激する。 まるで触手に攻められたような、未知の快感。 「んおおぉぁ!」 口を押さえたまま、浩介はあっさりと達していた。 何度も腰を跳ねさせ、精液を吹き出す。一度大きく身体を震わせてから、脱力した。通常よりも何倍も強い射精感。身体の力が抜けている。 すっと立ち上がり、リリルは咥内の精液を呑み込んだ。 「呆気ないねぇ。男だろ?」 口元のからこぼれた白い液体を舐め取る仕草が、異様に扇情的である。 浩介は微妙に視線を逸らしつつ、訊いてみた。 「こんな技術どこで覚えたんだよ……? 俺はよく知らないが、素人じゃないだろ今の。お前、俺の所に来るまで処女だったんだろ?」 「乙女の秘密だ、気にするな。あと、まだ終わりじゃないぜ? Shadow Doll」 呪文とともに、背後に生まれる気配。 振り向くと、リリルがもう一人立っていた。ピースサインをしてみせる。魔法による分身だろう。前後のリリルが不敵な表情を浮かべていた。 逸物の勢いは衰えていない。 「羨ましいことに、お前は男と女の両方の快感を知ってるんだ。ついでに、人間と狐の快感の両方も、な? 存分に楽しまないと損だぞ。というか、思う存分楽しませてやる」 「待っ、ひァ!」 首筋に走る悪寒に、浩介は小さく悲鳴を上げた。 分身のリリルが右のキツネミミを甘噛みしている。優しく転がすように前歯を動かしながら、舌で先端を舐めていた。喉が震えて、呼吸もままならない。 「待たないよ」 分身の右手が上着の中へと滑り込む。 ブラジャーの下に手を差し込み、そっと左胸を掴んだ。振り返り、静止する余裕もない。右手の人差し指と親指で乳首を摘み、丁寧にこねる。 「このくらいの力が一番利くんだよな」 「ん!」 胸から全身に走る弱い電気のような痺れ。手に力が入らない。 だが、頭の冷静な部分が告げる。まだ左手が開いている、と。朦朧とした頭でどこを狙うか考えて、即座にその結論を下す。 ――尻尾。だが遅い。 「ッ!」 既に尻尾を捕らえられていた。先端を手の平で包み込む。尻尾を左手で握り締めながら、芯の先端を指で摘んで転がすように攻める。 「っ……ひ……ぁ――!」 喉から漏れる、引きつった声。 元の身体に存在しない敏感な器官を同時に攻められ、まともに喋ることすら出来ない。肺が痙攣し、喉から不規則な息が漏れている。 「じゃあ、行くぞ」 「まへ……まっ」 右手を伸ばすも、指は力なく空を掴む。 にやりと笑い、リリルが逸物に口に含んだ。ぐるりと絡めるように、舌を動かす。出来上がった身体への一撃。それだけで十分だった。 「あ……はっ、はひぃ!」 なすすべなくリリルの口内へと射精する。 腰を震わせてから、浩介は荒い呼吸を繰り返していた。熱病に浮かされたように全身が熱い。過呼吸のせいで、意識も朦朧としている。 分身は動きを止めず、耳、尻尾、胸を攻め続けていた。 口の精液を一口で呑み込み、リリルはさらに不吉な微笑を浮かべる。 「ここからが本番だぜ?」 「な、にする……気だ?」 訊くがリリルは答えない。 左手で逸物の根本をきつく握り締める。 そして、右手をズボンの中に差し入れ、秘裂を一撫でした。 「んんッ!」 目を見開き、全身の筋肉を硬直させる。 ぎっと歯を食いしばり、浩介はリリルを睨み付けた。 「おま……ああッ!」 膣口を指で軽く引っかかれ、甘い悲鳴を上げる。 指を動かし淫部全体を滑らかに攻めながら、リリルは言ってきた。 「世にも珍しいことに、お前は男と女の快感を両方知ってるんだ。さっき言っただろ? だから、思う存分楽しませてやるよ。覚悟しろ」 「ち……待……っんん!」 股間から脳天まで突き抜けた衝撃に、思い切り仰け反る。 リリルが逸物を咥えるとともに、右手の人差し指と中指を膣へと差し込んだのだ。既に水音を立てそうなほどに濡れた膣は、容易にリリルの指を受け入れた。 それだけではない。 二本の指を器用に動かし、中をかき回し、膣口やGスポット、子宮口を攻める。同じくして、触手のように蠢く舌が陰茎を激しく絡め取った。だが、その根本をきつく締め付けられているせいで、射精することが出来ない。 がくがくと痙攣するように身体が跳ねる。 分身のリリルが呟いた。 「どうだ? 気持ちいいだろ?」 「あ、ひぃ……!」 涙を流しながら喉を動かすが、擦れた吐息しか出てこない。 通常より感度の増した男の性感。そして、身体に慣れていないせいで敏感な女の性感。さらに、人間ではあり得ない狐族の性感。三種類の快感で攻められ、ひたすら意味の無い喘ぎを吐き出す。 「これからどうすればいいか、ちゃんと命令してくれよ。ご主人様」 「あっ、あぁぁ……」 限界を超えた快感は既に、責め苦の域に達していた。リリルは自分が飽きるか、命令が出るか。どちらかまで続ける気だろう。 「くぅぁ――」 浩介は思い切り息を呑み込んでから。 気合い任せに、言葉を吐き出した。 「イかせ、ろ!」 「了解、ご主人様」 命令に従い、リリルが左手を緩めた。同時、膣内をかき回す指と舌の動きを加速させる。分身も両手と口に力を込めた。今まで蓄積された快感が一気に爆発する。 「――ッ! ―――ァァァ!」 声も出せない。咆吼するように口を開け、浩介は全身を跳ねさせた。 冗談のように吹き出される精液が、リリルの口を満たし、溢れて床にこぼれた。今まで生きていた中で最も強烈な快感と言えるだろう。神経が焼き切れれるほどの衝撃に、意識が飛びかける。だが、ぎりぎりの所で踏み止まった。 心臓の鼓動を聞きながら、荒い呼吸を繰り返すこと二十秒ほど。 浩介はソファに倒れたまま、リリルを見上げた。逸物は消えている。 「どうだ? 気持ちよかったか?」 「腰が、抜けた……」 リリルの問いに、浩介は力なく答えた。 |