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第2話 食事? |
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カイは部屋を見回してから、尋ねた。 「何か食べるか?」 画架の横に置いてある台を目で示す。 絵の具や筆と一緒に置いてある菓子箱。美術館で貰ったビスケット。絵を描きながら、小腹が空いた時に摘んでいる。 「うん。食べる」 ミドリは机の上まで飛んでいった。 絵の具の横に降りて、散らばった筆や絵の具を眺める。 「ねえ、カイ。ごはんどれ?」 「これだよ」 カイはビスケットを一枚手に取った。 口に入れて何度か噛んでから呑み込む。実際に食べて安全な食べ物であると示して見せた。やや湿気ってはいるが、品質に問題はない。 「うーん」 ミドリはビスケットを両手で掴み取り、匂いを嗅いだ。 ぱくりと口に入れ、何度か噛んでから、 「けほ!」 吐き出す。 何度か咳き込んで、口の中にあるビスケットの欠片を全部吐き出した。 「……大丈夫か?」 「うん、大丈夫。何ともない。変な味がしただけ。でも、これ食べ物じゃないよ。カイは食べられても、わたしは食べられない」 ミドリはビスケットを箱に戻した。 ぐるりと周りを見回してから、コップを見つける。水の入ったコップが三つ。筆を洗うためのもの。まだ絵を描き始めてないので、水は綺麗な無色透明。 ミドリはコップの横まで飛んでいった。 「水飲むのか?」 「うん」 コップの水を両手ですくい、口に持っていく。水は飲めるようである。 五口飲んでから、再び飛び上がり、窓辺へと向かった。植木鉢の上に腰を下ろし、窓の外に顔を向けて、身体から力を抜く。最初に見たときと同じ格好。 「光合成?」 カイは呟いた。 |