Index Top 第3章 突入 |
|
第6節 出陣 |
|
特殊部隊コリシュマルド。 その名は、手にする武器の名前から取られた。 細剣コリシュマルド。四年前にミスト・グリーンフィールド博士が開発した武器である。刃先は原子間結合力特異強化処理無転移金属炭素合金・オリハルコンで形成させ、チェーンブレードが仕込まれていた。原理は、現在レイと名乗っているオメガ試作機が使うテンペストと同じ。装甲だろうと岩だろうと、紙のように貫き、斬り裂く。追加された、高圧電気衝撃が、一撃で機械を停止させる効果を持つ。 コリシュマルドが行うのは、主に暗殺。特に、戦闘用ロボットが動けない場合で、なおかつ相手が強力な戦力を有している場合に動く。人数は十人。 しかし、戦闘能力は桁外れ。コリシュマルドを使うとはいえ、一人一人が、単身で戦闘用ロボットを倒すことができるほどである。十人が連携して動けば、中規模の軍隊程度ならば全滅させられるだろう。 今回の標的は、オメガ試作機――レイ・サンドオーカー。 目的は、レイを破壊して、そのコアを奪うこと。 しかし、相手はかつて戦闘ロボット・イプシロン二十体を掠り傷ひとつ負わず、たったの一分で破壊した。一筋縄ではいかない。 しかし、レイには弱点がある。 部隊長ケック・ハバートは思考をまとめ、振り返った。 九人の部下に向けて、告げる。 「行くぞ」 特殊部隊コリシュマルドは音もなく動き出した。 |
13/3/3 |