Index Top タドリツキ ~提督はスライムにつき~

第4話 !提督が明石に着替えたら


「んっ、あっ……。気持いい」
 タドリは椅子に座ったまま、ゆっくりと上着越しに自分の胸を揉んでいた。手に触れる柔らかな感触と、触られている感触。胸の奥から背筋にぞわぞわと痺れるような感覚が走り、自然と背中を丸めてしまう。男とは明らかに違うものだ。
(やめてください、提督……わ、わたしの身体で変な事、しないでください……うぅ。恥ずかしくて死んぢゃいそうですよぉ……)
 明石が気弱に言ってくる。
 タドリは息を吸い込み、身体を起こした。
「では、身体をじっくり見せて貰うか」
(あっ、提督……やめ……やめて――! 見ないで……)
 必死な声音で明石が言ってくるが、適当に聞き流す。
 上着のボタンを外して前を広げ、水色のシャツのボタンも外して前を広げる。素肌が空気に触れる肌寒さ。フリルの付いたピンク色のブラジャーが露わになった。下着には気を遣っているらしい。
 それなりに豊満な乳房と、細く引き締まったお腹がはっきりと見える。
(駄目です……み、見ないで下さい……。そんなに立派な身体じゃないですから……)
 明石が恥ずかしそうに言ってくるが、タドリは気にせずブラジャーをたくし上げた。少しだけ肩を引っ張るような感覚がある。
「少し寒いな」
 覆うものの無くなった上半身。形の良い大きな乳房と、薄い色の乳首が静かに自己主張をしていた。火照った肌に、空気の冷たさが心地よい。
(酷いですよ、提督……)
 明石が眼を背けようとした。が、身体は動かぬまま、自分の胸を見つめている。つまり、明石も自分の胸を凝視する事となっていた。
 タドリは両手で胸を包む。柔らかな肌が手に吸い付いてくるような錯覚を覚えた。
「直接触るのは、やっぱり違うな」
 むにむにむに。
 胸に指を沈めながら、タドリは明石に問いかける。
「オレが気持ちいいんだから、んっ……明石も感じてるだろ?」
(お願いします、提督……。もう、やめてください――許して。うぅぅ……)
 しかし、明石は恥ずかしげに懇願してくるだけだった。
 柔らかな肉に指がめり込み、手の形に合わせて容易くその形を変えていく。そして柔らかさとは裏腹に、指を押し返すような弾力もあった。自分で自分の胸を揉む、それが他人の身体であるという背徳感。
 胸の奥に痺れるような感触が走り。喉の奥が熱くなる。
「やっぱり本物は違うな」
(本物……?)
 びくん!
「あぅ」
(ひっ)
 身体が小さく痙攣した。胸の先端から背骨へと電気が走り、快感が波紋のように全身に広がっていく。軽く達してしまった。胃の辺りが灼けるような熱を帯びてる。
「次はこうやって……」
 タドリは両手で胸全体を扱くように手を動かした。乳首を絞るように摘まむ。
 ぷしゃっ。
 瞬間。胸の先端から白い液体がほとばしった。
「ひっ」
(んあああっ! 何! 何ですかっ!?)
 さきほどよりも強烈な快感が全身を駆け抜ける。
 じりじりと舌の根が乾いていた。乾いた咥内を舐めるように舌を動かす。タドリが明石の胸を扱くたびに、先端から白い液体が噴き出した。と同時、まるで射精のような衝撃と快感が弾ける。
「あっ、んぁっ」
 甘い声とともに、タドリはさらに二、三度胸から白い液体を噴き出した。
 胸の奥が熱を帯び、奇妙な満足感が脳を満たしていく。
(へっ、何で?)
 混乱する明石に、タドリは得意げに口端を持ち上げた。
「ちょっと細工を」
(細工って、何ですか……! 私の身体に何しちゃったんですか、提督!? あわわ……す、すぐに元に戻して下さい! 私の身体に変な事しないでくださいぃぃ!)
 心の声で叫び付けてくる明石。
 タドリは両手で乳房を揉みつつ、乳首を親指と人差し指で転がした。ぴりぴりと舌の奥が痺れる。指の動きにあわせ、暖かいような快感と鋭い衝撃が全身へと広がっていた。
「いやぁ、色々やってみようと――んっ、思ってね。くんっ、ぁっ。ちゃんと元に戻せる、んっ、はっ……程度に留めておくから、あっ」
(イヤですよぉ。すぐに戻してくださいぃ!)
 泣きそうな声で言ってくる明石。
「ところで明石は男の射精に興味ないか?」
 タドリは胸から手を放し、指先に付いた白い液体を舐め取った。ほんのりと甘い。
(へ……)
 虚を突かれたような明石の返事。
 タドリはスカートのホックを外し、そのままスカートを脱ぎ捨てた。
 引っかかるもののない平らな股間と、それを包む飾り気の無いピンク色のショーツ。タドリはショーツ越しに淫核に降れ、ゆっくりと指を動かしそこを刺激する。
「んっ……あっ、はっ! ああっ、ふああああっ」
(ああっ、凄いっ。腰がっ……何っ、何これっ!」
 淫核が膨れ上がり、ショーツを押し上げた。もっこりと盛り上がったピンクの生地。
 ゆっくりとショーツを下ろすと、そこにはいきり立つ男のものがあった。本来なら何も無い秘部から、そそり立っている。
(えっ、これって……)
 困惑する明石に構わず、タドリは己のものを掴んだ。自分のものを掴む慣れ親しんだ感覚。そして細い女の手に掴まれているという未知の感覚。
 ゆっくりと手を動かすと、腰の奥に衝撃が走る。
「あっ、提督っ! あ、声が……んんっ!?」
 しゅっしゅっしゅっ。
 明石の手を動かし、自分のものを上下に扱いた。男としては慣れたものだが、明石にとっては初めての感覚である。神経を駆け抜ける未知の快感に、びくびくと腰が跳ねていた。
 口元から涎が垂れ、膣口から溢れた液体が椅子を塗らす。
「これが男の人の……んっ。あっ、何これ気持ちいい……。んっ、ああっ、お腹の奥が暑いッ。これ、凄い。うんっ、あっ、来る……あっ、あああっ!」
 びゅっ!
 甘い悲鳴とともに、白い液体がほとばしった。
 椅子の背もたれに身体を預け、荒い呼吸を繰り返す。まるで始めて射精したような興奮だった。事実、明石にとっては生まれて初めての精通だ。
「どうだった、男の感覚は?」
「…………」
 明石は応えない。
「次は女の子の中に入れてみるか?」
「何するつもり、です……?」
 不安げな問いにタドリは身を起こし、大きく口を開いた。
「こうして」
 どろり。
 喉の奥から溢れた青色の液体を、両手で受け止める。液体は手の中で形を変え、筒状のものを作り上げた。その上面には卑猥な割れ目が映っている。女性の秘部のような。
「えっ、まさか……」
 焦る明石。タドリは己のものを円筒の膣へと差し込んだ。ずぶずぶと肉を書き分ける感触に、呼吸が止まる。下腹から湧き上がるような灼熱。
「やだ……これっ……! あ……」
 目元からこぼれる涙。だが、タドリは手加減せずに手を動かした。
 ぐちゅっぐちゅ、ぐちゅっ!
 卑猥な音を立てながら、股間のものが作り物の膣を上下する。
「あ、あっ……ああっ! ンあああッ!  何でっ、提督っ! やだっ、やだやだぁぁ! こんなっ、こんな……! ああっ! 出ちゃう、またっ! ああああっ、駄目っ! 腰が止まらな……はひっ、どうなって! あひっ!」
 未知の快楽に全身を震わせながら、明石が悲鳴を上げた。両目から涙を流し、鼻水と涎を垂らし、神経を駆け抜ける電撃をただ受け止める。
 びくびくと腰を浮かせ、青い液体の中に白い液体を吐き出していた。
 しかし、手は止まらず己のものを攻め続ける。
「やだっ! ああっ! 提督、もう止めて下さい……! こんなの駄目ですよぉ……! あっ、ひっ……あああっ! やめっ、動かさないでっ! もう十分ですって! あっ――もう駄目ッ……やっ、イくっ! イッ、あああああっ!」
 びくんっ!
 と痙攣するように四肢を伸ばし、タドリは白い液体を派手に吐き出した。身体を包み込む、甘く淫猥なけだるさ。青い円筒の中に、白い液体が大量に漂っている。
「あぁ……」
 緩慢な呼吸を繰り返し、タドリと明石はしばらくぼんやりと天井を見上げていた。



 開いた窓から夕刻の潮風が流れ込み、カーテンが揺れる。
「これでよし」
 明石の持ってきた書類に自身のサインを書き、判子を押し、タドリは満足げに頷いた。朱印は切れ目もなくきれいに押されている。
 ただし、3000の文字は横線で消されて30に書き直されていた。
「たった三十個ですか? 提督のケチ。男ならどんと百個くらいお願いしますよ。あれだけ私の身体楽しんだくせに」
 執務机の向こうから、不服そうに口を尖らせくる明石。服も着込み眼鏡もかけていた。身体も元に戻っている。改修資材の注文数が不満のようだった。
 タドリは明石を見やり、手を動かす。
「現在必要な改修分を考えれば、これで十分だ。うちは余分な改修資材は、そもそも必要無いからな。君の腕なら改修失敗なんてありえないだろう?」
「ふふん。当然じゃあないですか! この私を誰だと思ってるんです?」
 左手を腰に当て、得意げに胸を張る明石。くいくいと眼鏡を右手で動かしながら。装備の改修は段階が上がるほど難しくなるものだが、この明石は最終段階でさえも確実化作業を行わない。そして改修を失敗した事は、無い。
「あ、ところで提督」
 ふと姿勢を戻し、明石が見つめてくる。
「さっき私の胸触りながら『本物は違う』とか言ってましたけど……。あれですね。夜な夜な私とか他の子に姿変えてエッチな事してますね?」
「ノーコメントで」
 タドリは言い切った。
 ふんすと鼻息を吐き、明石が続ける。真顔で。
「全く、何面白い事してるんですか! 羨ましい! 私もちょっと混ぜて下さいよ!」
「ノーコメントで……」
 視線を逸らし、タドリは小声で呻いた。

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19/6/30