Index Top タドリツキ ~提督はスライムにつき~

第1話 !眠れない夜の……


 蛍光灯の光が無機質な室内を照らす。
 簡易ベッドと本棚の置かれた簡素な部屋だった。ドアの外には仮眠室と書かれた表札が張られている。仮眠室と書かれているが、事実上の私室だった。
 その床に広がる水色の液体。
 ぽこぽこと泡立ち。
 その表面がふたつ盛り上がった。縦に長く立ち上がり、徐々に人の姿を取っていく。頭が髪の毛が、胴体が手足が作られ、服やスカートが形作られ色が付き、人型へと変化した。
「よいしょっと」
 人型は両腕を伸ばし、腰を捻った。何度か手を閉じて開き、
「ねえ。どうかな、これ? 我ながらいい感じに仕上がったと思うけど、おかしな所無いかな? ちゃんと明石になってるよね?」
 両腕を左右に広げて、人型の片方がそう呟いた。長いピンク色の髪の毛に、白い制服、紺色のスカート、オーバーニーソックスという格好、工作艦明石である。
「問題無いですね。良い感じですよ。どこから見ても普通の明石です」
 そう答えたのは、もうひとつの人型。長い黒髪と眼鏡、明石とほぼ同じ制服を着た軽巡洋艦、大淀だった。こちらも両手を握って開き感覚を確認する。
 大淀は長い黒髪を指で梳きながら、苦笑した。
「一度に二人になるのは、さすがにちょっと難しいですね。身体がふたつあるみたいで」
「ま、実際ふたつあるんだけど。なかなか斬新な感覚で、面白いよね」
 もこもことした髪の毛の房を弄りながら、明石が暢気に笑ってみせた。
 大淀は両腕を左右に広げる。
「ところで、私もちゃんと大淀になっているかしら? 自分で感じる限り違和感は無いのだけれど、同時に別人には、まだちょっと慣れませんね」
「大丈夫でしょ。大淀も大淀にしか見えないし、わたし達の特徴も混じってないしね」
 大淀に近づきながら、明石が頷いた。
「そうですね。特にこの控えめな胸も」
 言いながら、大淀は自分の胸に手を触れた。
 制服の生地を押し上げるほどほどの膨らみ。大きくはないものの、しっかりとした柔らかさがある。その感触を確かめながら、大淀は吐息した。
「やっぱり女の子の胸って気持ちいいですよね……」
 感心しながら制服の前を開き、続けて水色のシャツも開く。白いブラジャーに包まれた、控えめな乳房が現れた。つつ、と胸元を指で撫で、大淀は明石に微笑みかけた。
「明石も触ってみます?」
「う、うん」
 一拍の躊躇を挟んでから、明石が大淀の胸に手を伸ばす。
 そっとブラジャー越しに柔らかさを確かめるように指を動かした。そのままブラジャーを持ち上げる。露わになった乳房をなで回しながら、楽しげに笑った。
「あー。この薄いながらもほどよく柔らかさがある所なんか、まさに大淀」
 きゅっ。
 と、明石の指が大淀の乳首を摘まんだ。
「あんっ!」
 喉から甘い吐息が漏れ、大淀は慌てて手で口を押さえる。
 明石はにやりと勝ち誇ったように笑った。
「可愛い声だったよ」
 大淀は応えず、明石の制服に手を掛ける。自分の制服とほぼ同じ構造。それを脱がすのは造作も無い。ボタンを外して前を開き、シャツのボタンを外し、左右に広げる。
「ちょ、大淀……!」
 慌てる明石には構わず、大淀は手を動かしていた。ボリュームのある胸を包む水色のスポーツブラをたくし上げる。音もなく跳ねる大きな乳房。
「私の控えめなバストもいいですけど、明石のような豊満バストも素敵ですね」
 楽しげに呟きながら、張りのある膨らみを、両手で無遠慮に揉み解していく。大淀とは違う、それなりに大きさのある膨らみ。指を曲げると指が柔らかな肉に沈んでいく。
「あっ、それ、待って……あっ、んっ……! 大淀、先っぽは……んぁっ、だめっ!」
 小さく身体を痙攣させながら、明石は甘い声音を漏らした。
 大淀は不敵に笑いながら、人差し指を胸の先端に当てる。
「こういうのもいかがですか?」
 つぷりと、指先が胸の先端へと沈んだ。暖かな飴に指を差し込むように。
「ひゃぁっ!」
 仰け反り、悲鳴を上げる明石。
 大淀は左手で明石の胸を味わいながら、右手人差し指を上下に動かす。細い指が明石の胸の先端へと沈み、再び引き戻された。しかし、一回では終わらない。大淀の指が何度も明石の胸を犯していく。
「あっ、あああっ! 奥がっ、んぁっ、熱い……! 待っ、溶ける……! んんっ……大淀っ! 待って待って……あっ、はひっ……これは、反則でしょ! ダメっ……!」
 身体を震わせながら、明石が睨み付けてくる。
「ルールとかありませんから、問題無いです。えいっ」
「んッ、ふああああ……っ! ぁぁぁぁ……」
 ずぶりと根元まで指を差し込まれて、明石は達した。甘い悲鳴とともに身体を仰け反らせて、脱力する。下ろした手の先から水色の液体が床に垂れていた。
 明石が倒れないように身体を支えつつ、大淀が眼鏡を動かす。
「どうでし――」
 問うよりも早く、明石の唇が大淀の唇を塞いだ。
 目を丸くする大淀。
 明石の舌がその咥内へと差し込まれる。
「! っっ!」
 身体を震わせなすがままに口を犯される大淀。目蓋が落ち、身体から力が抜けていく。
 明石の手が大淀の胸に触れた。控えめな膨らみを丁寧に揉みながら、じっくり大淀の咥内を味わっていく。
 応じるように大淀の手が明石の胸に触れる。
「んっ……」
「ふっ」
 恍惚とした表情で唇を重ね、舌を絡め、唾液を交換しながら、お互いの胸をなで回す二人。相手の味を形を肌触りを確かめるように。やがてお互いの肩に腕を回し、さらに身体を密着させる。二人の乳房が押しつけられ、形を変え、絡まるように泳いでいた。
 いやらしい水音と呼吸音。時々びくりと身体が震える。
「あっ……」
 明石が口を離すと、二人の舌の間で水色の液体が糸を引いた。
 己の唇を舐めてから、明石が大淀のスカートに手を差し入れる。そのままショーツの中へと手を潜り込ませ、人差し指で秘部を一撫でした。
「ひゃっ!」
 小さな悲鳴とともに大淀の肩が震える。
 そこは既に十分なまでに濡れていた。
「ここ気持ちいいでしょ?」
 いやらしい笑みを浮かべつつ、明石は淫核から膣口までを弄り始めた。優しく愛撫するように、しかし嬲るように、緩急を付けて大淀を攻めていく。
「あっ! 明石……! ひっ、ああっ! やだっ! まっ、待って! 腰が……あっ、んんんっ! これ……おかしくなっちゃう! 明石っ、あっ、やぁっ!」
 口元を押さえ、きつく目を閉じる大淀。抵抗するように首を左右に動かしていた。溢れた液体がぽたぽたと床に垂れている。足が震え、立っているのも精一杯だろう。
 にっこりと優しく、明石が笑って見せる。
「大淀、おかしくなっちゃってね。私が見てるから大丈夫」
「ああっ! あっ! こうなった、ら……えぃ!」
 ずぶっ。
 と、大淀は明石の腰に自身の手を差し込んだ。水面に差し入れるように、皮膚の奥へと手が入り込む。指先に触れる暖かな感触。そのまま内側から、明石の淫核を撫でた。
「きゃんっ!? あっ、何これ……! へっ……! お、大淀……!?」
 焦る明石に大淀は妖しく微笑みかける。顔を紅潮させながらの、ぎこちない笑み。問いには答えず、明石の体内から秘部を愛撫し始めた。暖かい粘液をかき分け、器官として固まっている部分を直接。
「ひゃああっ! あっ、はああああん! ひっ、はひっ。これ、凄い――!」
 口から涎を垂らし、明石は仰け反るよういに天井を仰いだ。焦点の外れた瞳。震える身体から、水色の粘液がしたたり落ちている。
「でも、私だってっ負けない……んんっ! あんっ!」
 甘く悶えながらも、明石は指を動かした。震える指が大淀の膣内へと差し込まれる。その先端が水色の粘液となり、大淀の膣内へと入り込んだ。膣のさらに奥まで。
「ひゃぅ!? 明石、これって……あっ……! んんんっ! あっ、ああっ! ま、待って……そんな奥まで! 熱い……ああっ、あっ! もう……無理――!」
「ひっ、ンンンンッ! もう駄目! 私もイくっ! イっ、ふああああっ」
 お互いに抱き合いながら、明石と大淀は同時に絶頂を迎えた。身体を何度も震わせ、体内に弾ける快感を甘受する。
 お互いに身体を預け、二人は静かに床に崩れ落ちた。



「ねぇ、大淀」
 ベッドに腰を下ろした明石が口を開く。脱いだ服は着ている。
「何でしょう」
「こういう事やってるって知ったら、明石たち怒るかな?」
「うーん……」
 明石の問いに大淀は眉を寄せた。数秒視線を上げてから、小さく吐息する。
「何面白い事やってるんですか! とか言いそうですね……」
「あー。言いそう……」
 腕を組み、明石は頷いた。ぱっと表情を輝かせ、
「あれですね。艦娘は提督に――」
「やめて」
 手を差し出し、明石の言葉を遮る大淀。気持ちを切り替えるように眼鏡を動かし、
「明日もお仕事山積みですし、そろそろ寝ましょう」
「そだねー」
 明石は頷いた。

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19/6/15