Index Top つくもつき from 扶桑

終章 そこは事後の世界――

 

 濡れタオルで身体を拭き、脱ぎ捨てた服を着込んだツクモ。改めて椅子に座り、お茶を飲んでいた。テーブルの上の茶菓子は新しいものが用意してある。
 テーブルの向かいに座る山城が、声を上げた。
「提督……」
「何だ……?」
 視線を上げるツクモ。
 山城はツクモのお腹を見つめ、おずおずと聞いてきた。
「本当に妊娠しちゃったら、どうしましょう?」
 ツクモはお茶を一口飲み、小さく苦笑した。
「あれは一種の疑似精液だから生殖能力持ってないし、時間経てば消滅する。艦娘はあくまでも半受肉状態だから、そもそも妊娠できるような構造してないぞ。それでも、万が一扶桑に子供が宿ってたら、俺がまとめて責任取る」
「提督」
 おもむろに立ち上がった山城。
 何故か赤い瞳に壊れた光を灯し、上衣を脱ぎ始めた。
「第三ラウンド行きます!」
「何故……!」
 ツクモは思わず声を上げた。

Back Top Next

19/1/14