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後編　復讐代行

　江美が息を飲み込む。
「へへ、変なことしたら、ッッッ、警察に、訴えるわよ……！」
　怒りやら恐怖やらが混じった凄い形相。声も不自然に引きつっていた。蟲による刺激は止めず、身体はイく寸前のまま。呼吸だけで感じるほどに。
　ま、ここでやったら警察行きだろうな。警察署には大抵数人の退魔師がいる。怪しげな事件の時は一般の警官とは別の動きをするらしい。
　しかし、俺は知らんぷりをして、微笑みかけた。
「ほう。警察がバケモノを捕まえられるかな？」
「っ……」
　黙り込む江美。普通は警察署に人外対策係があるなど知らんしな。
「さあ、尻をこっちに向けて」
　俺の言葉通りに、江美の身体が動く。両足を床につき、ベッドの上に両手をついた。とろとろに溶けた秘部を俺に向けている。お漏らししたように愛液が太股を濡らしていた。これなら十分受け入れられるだろう。
「嫌、嫌よ！　何であたしがあんたごときに抱かれなきゃいけないのよ！　もし変なことしたら、殺してやるわ！　絶対に殺してや――」
　俺の人差し指が江美の秘部に触れた。
　それだけで声が出なくなる。蟲たちが新たな快感を感じ取っていた。過剰なまでにできあがった身体。他人の指で触られるのは、自分で触るのと感触が違う。
　張りのある肉を確かめるように、ゆっくりと指を動かす。
「あぅぅ、ぁぁぁぁ……」
　背筋を反らして悶える江美。
　俺はそっと自分の逸物を撫でた。ぞくりと胸の辺りに痺れが走る。人間の男としてこういう行為を行うのは初めてだ。緊張する。
「もう嫌ぁ……」
　まともな状態なら既に何度もイっているのに、蟲によってそれを阻まれていた。快感と苦痛が同時に神経を焼いている。
「これがクリトリスだな」
「ッ！　やめ、やえて、おねがひだから！」
　俺の言葉に反応して、江美が悲鳴じみた声を上げる。
　だが、無視して淫核を摘む。
「―――ッ！」
　背筋をそらして、江美は達した。
　……が、達していない。絶頂を迎えた手応えはあったのに、快感は得ていない。身体だけ反応して絶頂感は得ていない。江美の中の蟲が悶絶するような苦悩を伝える。
　俺は指で転がすように淫核を刺激した。
「ッ！　ッァ！　ァァァァァァ！」
　涙を流しながら、絶頂の反応を見せる。
　身体は何度も達しているのに、快感は得られない。イきたいのにイけないという苦痛だけが溜まっていく。下手な痛みよりも苦しいだろう。
「お、おがしくなる……！」
「じゃあ、そろそろ」
　濡れた指を舐めてから、俺は亀頭の先を膣口に触れさせた。
　ごくりと江美が息を飲み込む。もう止めろなどとは言ってこない。ここでじらされたら壊れることを本能的に理解したのだ。
　俺が腰を進めると、亀頭は肉を裂くように江美の内部へと進入する。
「ふああぁぁぁ」
　江美が甘い声を漏らす。
　膣内は既に愛液で濡れていて、ほとんど抵抗はなかった。内部へと引きずり込むように蠢く膣肉。何度も男を受け入れ、ほどよく熟れた女。
　正直、俺が人間だったら射精していた。
　結構凄い……。
　一息で押し込めるところを、俺は至極ゆっくりと進む。
「おねがひ、はやく――」
　江美の声に応えるように。
　コツと子宮口を叩いた。
「はああぅッ！」
　脳髄まで突きつけた快感に。
　だが、やはり達することはできずに、身体だけの反応で終る。涙と涎を流しながら、江美は子供のような声を漏らした。
「何で……なんでイけない、のよ！」
「最初に俺は何て言った？」
　俺はそう告げて、腰の動きを開始した。
　それほど速くもないが確実な前後運動が、膣に強烈な刺激を与える。刺激は熱い快感となって神経を駆け上がり、脳を叩く。
「あああああッ！　ああああッ！　いや、いやぁぁぁ！」
　ビクビクと痙攣しながら、江美は拒否するように首を振っていた。身体は何度も絶頂を迎えているのに、イくことのできない拷問のような苦痛。
「お願いぃぃぃぃ！　助けて、何でもするからイかせて！」
「もう一度言うぞ、俺は最初に何て言った？」
　俺は江美の耳元で囁いた。
「最初……」
　だが、思い出すよりも早く、俺の両手が乳房を鷲掴みにする。胸を掴みながら身体を持ち上げた。膣内でのモノの向きが変わり、新たな刺激が生まれる。
　適度に大きく張りもある双丘。両手を動かすと面白いように形を変えた。
「っああああ、もう駄目だめダメ……おかしくなるぅぅぅ！」
　―――。
　蟲を使って、ヒントを出す。
　江美の思考が一度止まる。俺が最初に言った言葉を思い出した。そして、あとは躊躇もない。理性もプライドも捨て去り、必死に懇願する。
「お願いします、ご主人様アアアッ！　私はあなた様の雌奴隷です！」
「それは本当なんだな？」
　両手を動かしながら抉るように膣口を突き上げ、俺は確認する。
　江美は快楽と苦痛に身をよじり、壊れた笑顔を見せた。犬のような服従の笑み。
「ハイィィィ、私はご主人様の雌奴隷ですゥゥゥゥ！　だからイかせて下さいいいい！」
「分かった。ご褒美だ」
　俺は江美の枷を外す。
　その瞬間、今まで溜まっていた快感が爆発した。
「いいいいいああああああああああ！」
　歓喜とも悲鳴ともつかぬ絶叫を上げて、江美が絶頂を迎える。顔からあらゆる液体をまき散らし、身体を仰け反らせながら何度となく激しく痙攣した。
　一分以上の絶頂感を味わってから、力が抜ける。気絶したらしい。
　俺は江美をベッドに寝かせ、逸物を引き抜いた。いつの間にかに射精していたようである。膣中に大量に出してしまったが、妊娠の心配はないだろう。生殖機能は既に止まっているのだ。
　それはそれとして、後片付けが大変だな。

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