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エピローグ


「洗濯と乾燥終ったぞ」
 カイムは右手に持った服を机に置いた。
 折りたたまれた緑色の三角帽子とワンピース、ショーツ。ミィの着ていた服である。さきほどの情事で汚れてしまったので、洗濯してきたところだった。
「ありがと、マスター」
 ハンカチにくるまったミィが礼を言ってくる。
 右手を伸して置かれた服を掴むと、ハンカチの中に引き入れた。そのままもぞもぞと着替えを始めた。
「さっきあんな事したんだから、いまさら恥ずかしがることもないと思うけど」
「へへ……」
 着替えを行いながら、ミィが照れたように笑う。
 カイムは大袈裟に吐息してから、告げた。
「でも、これっきりにしてくれよ。ぼくも酔っぱらってたとはいえ、かなり暴走してたから。またこんなことはしたくない」
「分かった」
 ミィは素直に頷いた。
 ハンカチを落とすと着替えが終っている。
「でも……」
「でも?」
 不安を覚えて、カイムは訊き返す。
 ミィはその場に立ち上がってから、具合を確かめるように羽を動かし、カイムの顔のすぐ隣まで飛んできた。耳元に囁きかけるように呟く。
「でも、羽触られたらまたエッチな気分になるかも」
「………」
 返答に戸惑うカイムの頬に、ミィは軽くキスをした。

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