Index Top 第8話 落ち葉の季節

第7章 人形遊び


 ベッドに座った浩介にもたれかかったリリル。
 力無く両腕を垂らし、浩介の肩に体重を預けている。尻尾もただの紐のように床に落ちていた。まるで眠っているかのように。意識はあるし普通に思考もできるが、身体は動かない。浩介が許可するまで、ずっと人形状態である。
「本当に凄いな」
 命令の効果に感心しながら、浩介はリリルをベッドに寝かせた。
 布団の上に仰向けに寝かされるリリル。金色の瞳は虚空を見つめていた。
 浩介はリリルの右手を持ち上げる。抵抗も無く持ち上がり、全く動かない。人形になると命令したのは浩介自身だが、それでも不安になるような脱力だった。
 手の平を撫で、頬を撫で、尖った耳の縁を指でなぞる。
 頬を指で引っ張ってみても反応はない。よく伸びる頬。
 一拍の躊躇を置いてから、浩介はリリルの胸に手を置いた。
「小さいなぁ」
 正直な感想を口にしながら、薄い胸を服の上から両手で撫でる。寝間着の布地を押し上げる膨らみ。魔法で大人状態に戻った時は豊満だが、普段は年相応の控えめな大きさだった。浩介はこちらの小さな胸の方が好きだった。
 動けるなら即座に暴れていただろう。しかし、今のリリルはただ無表情に虚空を見つめるだけだった。完全な無防備状態。
 口元の笑みを押し殺しつつ、浩介は寝間着のボタンを外していく。
 ぱたぱたと尻尾が跳ねていた。胸の奥が熱くなり、呼吸が重くなる。身体は女だが、感覚は男のままである。そんな事を、改めて思い知らされる。
「これで喋れたら、罵声飛んでくるんだろうな」
 呻き声のひとつも無し。
 ボタンを外し終わり、ワンピースの前を全てはだける。
 胸をすっぽり覆う白いスポーツブラ。腰から太股まで覆う黒いスパッツ。日焼けとは違う淡褐色の肌。子供特有の細い線と、女性特有の丸みの同居した体付き。身体に描かれた稲妻のような形の黒い模様。
「実に卑猥だ」
 浩介はリリルの横に投げ出された尻尾を見た。
 皮革のような黒く細い紐状の尻尾で、長さは八十センチほど。意外と長い。先端は三角形になっている。骨の類はなく、かなり柔軟に動き、また力も強い。しかし、今は身体同様に人形のようになっている。
 浩介は尻尾を持ち上げ、先端の三角形をリリルのお腹に触れさせる。
 円を描くように尻尾を動かし、スポーツブラの下の縁を撫でてから、首筋を撫でる。お腹の皮膚に、微かに鳥肌が立っていた。脇の下をくすぐってから、再びお腹を撫で、スパッツの縁を撫でてから、脚の付け根を通り、太股へと。
 リリルは全く動かない。
 浩介は尻尾から手を放し、リリルの背に腕を差し込んだ。上体を起こす。力の抜けた身体は意外と重い。身体は起きても腕は垂れ下がり、首も据わっていない。力が入っていない状態は、こういう場合は不便である。
 左手でリリルを身体を支えたまま、浩介は右手で寝間着を脱がし始めた。腕を押えて、袖を引っ張り、身体から袖を抜く。
「脱げって命令すれば脱ぐんだろうけど、それじゃ面白く無いし」
 苦笑いをしながら、浩介はワンピースを脱がした。
 続いて、スポーツブラを脱がす。
 露わになる上体。胸を隠すものは何もない。リリルの肌に描かれた黒い稲妻模様がはっきりと見える。上腕から肩、背中から脇腹を通り、お腹から太股まで伸びる模様。リリルの金色の瞳は床を見つめたまま、何の反応も見せていない。反応が無いだけで、思考や意識はしっかりとあるが。
 浩介はリリルを再びベッドに寝かせた。仰向けに。
 緩やかな胸の曲線。
「………」
 口を動かさぬまま、浩介はリリルの胸に手を触れた。布越しでは分からない、きめ細やかな肌の感触。薄いながらも、両手で揉むと、しっかりとした柔らかさを感じる。浩介の腕を走る痺れるような興奮。
 丁寧に胸を触っていると、やがて先端が硬くなってきた。
「ん? 感じてるのか?」
 乳首の周りを指で撫でながら、浩介はリリルの顔を見る。
 反応は無い。だが、反応はある。
 指の腹で乳首を擦ると、皮膚が引きつるような感触があった。人形のように動かなくなっても、生理反応は残っているようだった。感じているらしい。
 浩介はリリルの身体を少し持ち上げる。背中に左腕を回し、上体を抱えるように。
「いただきます」
 細い首筋に軽く噛み付いた。
 首筋から胸元へ、浩介は舌を這わせていく。舌の表面に感じる、滑らかな肌。浩介の肌とも凉子とも違う。魔族だからだろうか。味や匂いは無い。
 胸の間を舐めてから、胸の曲線をなぞるように舌を這わせていく。
 そして、乳首を口に含んだ。
 小さな突起を転がすように舌先で撫で弾き、前歯で甘噛みする。小学生高学年くらいの女の子の胸を撫で、舐めるという行為に、浩介は背筋が粟立つのを感じていた。胸元から喉まで、強烈な渇きが駆け上る。
 徐々に勃ってくるリリルの胸の突起。
 浩介は脚の付け根へと右手を伸ばした。スパッツの滑らかな生地。両足の間にあるのは、女の中心部。人差し指でそこを丁寧に撫でる。少し熱を帯びているように感じた。
 静かな室内。
 蛍光灯が照らす部屋。カーテンは閉まっていて、外の様子は分からない。街中であるものの、周囲が森のため、街の騒音は届いてこない。
 静かな室内に、小さな水音と呼吸の音だけが響く。
 スパッツの表面から一度手を放してから、浩介はスパッツの縁に指を差し入れた。伸縮性のあるナイロン生地が手を圧迫する。その窮屈さも心地よい。指先で生地を掻き分けながら、下腹からその奥へと手を進ませる。
 ショーツの間に手を入れ、指先が秘部へとたどり着いた。
 産毛も生えていない、小さな縦筋。
「リリル。濡れてるぞ?」
 浩介はリリルの胸から口を放し、その顔を見た。
 無表情のまま、金色の瞳を天井に向けている。さきほどと変らぬ表情だ。人形のように動かないが、意識も思考もある。何を考えているかまでは分からない。人形状態をやめるように命令すれば何か言うだろうが、そうする気はなかった。
 何度かリリルの秘部を指で撫でてから、浩介は手を引き抜いた。
 微かに濡れた指先を見つめ、それを口に咥える。味は無い。気が済むまで撫でたら終わりにする予定だったのだが、予定とは違う流れになっている。
「感じてるなら、このまま続けさせてもらうだけだけど」
 そう独り言のように呟いてから、浩介はリリルを一度ベッドに寝かせた。
 身体の芯が焼けるように熱い。
 乾いた口の中を舌で舐め、粘つく唾を呑み込む。
 浩介はパジャマの上着とズボンを脱いだ。部屋の空気が素肌に触れ、熱を奪っていく。水色のブラジャーとショーツという恰好で、胸元に手を触れる。
 心臓が早鐘のように鳴っていた。
 左手をショーツの上から秘部へと触れさせる。
「んっ」
 思わず声が出た。脚の付け根から背骨を通って脳髄まで響く痺れ。
「俺も興奮してるな」
 何度か深呼吸をしてから、浩介はリリルを抱え上げた。それほど重くはないはずだが、力が抜けていると重く感じてしまう。身体の向きを入れ換えながら、ベッドに再び腰を下ろし、膝の上へと乗せる。
 銀色の髪を指で梳きながら、リリルの重さを堪能する。
 無抵抗に膝に乗せられた魔族の少女。浩介が何をしても抵抗もできず声も出せない。意識が焼け付くかと思うほどの、背徳的な状況だった。
「このまま何してもいいんだよな」
 浩介はリリルの身体に両腕を回し、背中から抱きしめる。肌と肌が直接触れあう安心感。リリルの背中に浩介の乳房が押し付けられる。ぱたぱたと尻尾が跳ねていた。
 ゆっくりと両手を動かす。小さな身体を味わうように。
 首筋から胸元へと。緩やかな胸の膨らみを撫で、先端の小さな膨らみを指で摘み、優しく転がした。お腹から脇腹まで手を動かし、スパッツの上から太股を撫で、脚の付け根を指でなぞる。
 リリルが少しずつ熱を帯びてくるのが分かる。
「もう大丈夫か?」
 浩介はスパッツの中に右手を差し込んだ。脚の付け根まで指を差し入れ、秘部へと指先を触れさせる。そこはさきほどよりも濡れていた。感じているのだろう。薄い縦筋を二度、三度撫でてから、中指を膣口へと触れさせる。
 そのまま指を体内へと差し込んだ。
 思いの外あっさりと、中指が呑み込まれる。柔らかく暖かく湿った肉の感触に、浩介は呼吸を止めた。狐耳と尻尾がぴんと立ち、股間が熱くなる。
 浩介はリリルの中から指を抜き、スパッツから手を抜いた。
 両腕でリリルを少し持ち上げ、息を吸い込む。法力を集め、術式を組み上げる。
「Erection the Rod」
 鈍い衝撃とともに、ショーツが押し上げられる。男が萎えた状態から一気に完全になったような感じだ。術によって仮初の男性器が作られる。
 浩介はショーツを動かし、それを外に出した。
 リリルの両足の間から飛び出すもの。
 見えていないわけではないが、リリルの反応は無い。
 浩介はリリルのお尻を抱え、腰を上下に動かす。スパッツの生地が股間のものを撫でていた。下腹から喉元まで駆け上がる灼熱感。
「さて、行くぞ」
 告げてから、浩介はリリルの穿いているスパッツを太股まで下ろした。
 幼い秘部が露わになる。
 両手でリリルのお尻を抱え上げてから、そそり立つものの上へと腰を下ろしていく。先端が膣口に触れた。微かな抵抗。狭い肉壁を掻き分けながら、リリルの奥へと呑み込まれていく。濡れて溶けたような淫猥な肉が、浩介のものに絡まりつく。
「うぅ……」
 唾を飲み込み、浩介は体内の感触を味わう。
 リリルが一番下まで降りた。
 何度か深い呼吸を繰り返してから、浩介はリリルを抱えた。膣肉と浩介のものが擦れあい、甘い快感を生み出す。脳が溶けるような甘い刺激。
「次は――」
 浩介は身体の前後を入れ変え、リリルの上半身をベッドに下ろした。
 うつ伏せになったリリル。両腕をベッドに投げ出し、顔を正面へと向けている。その腰を両腕で支え、浩介は腰をゆっくりと動かし始めた。熱く濡れた膣肉に、痺れるような快感を生み出す。
「………」
 リリルは動かない。意識はあるし思考もある。五感も全て働いている。しかし、浩介の命令によって動きを全て封じられていた。抵抗もできず、声も出せない。
 人形のように固まって脱力しながら、リリルは無抵抗に浩介の動きを受け入れている。まるで本物の人形と交わっているようでもあった。
 その不自然さが、妙な興奮を生み出している。
「熱い……」
 ものの根元から、痺れるような感覚が広がっている。膣が疼いていた。男としての興奮に女の身体が反応している。奇妙な感覚だった。
 浩介は左腕でリリルの腰を支え、右手を自分の胸に触れさせた。
 丸く柔らかな乳房。男には無い、女の胸の膨らみ。ブラジャーの中に手を差し込み、手の平でこねるように乳房をもみほぐし、人差し指と親指で乳首を摘む。
「あっ」
 喉から漏れる声。
 肩が跳ね、背筋を衝撃が駆け抜ける。
 男のものでリリルを犯しながら、女の身体で自分を慰めている。男と女の快感を同時に味わいながら、腰の動きを早めていく。
 リリルの膣も水気を帯び、浩介の動きに合わせて、微かな水音を立てている。
「ふあ……ぁ」
 股間から下腹を通り、背筋まで駆け上がる昂ぶり。喉が渇き、思考が鈍っている。手足は痺れたように感覚が消えかけていた。
 しかし、身体の動きは止まらない。
 身体を前に傾け、より深くリリルの奥へと自分のものを挿入する。
「膣が疼く」
 浩介は右手を腰の後ろへと持って行った。股間から生えた男のものがリリルの膣を前後する。それをうらやむように濡れた秘部。
 浩介は右手の指を自分の膣へと差し込んだ。
「んッ!」
 ぬるりとした手触りとともに、全身の筋肉が伸縮する。呼吸が止まり、思考も止まる。差し入れた指がきつく締め付けられた。下腹から脳髄まで届く衝撃。
 女としての絶頂が身体を突き抜ける。
 それと同時に、浩介は男としても達していた。
 股間のものからリリルの中へと、大量の精が吐き出される。
「うあ……あ……」
 身体を駆け抜ける本来ならあり得ない二種類の快感に、呻き声が漏れる。
 そのまま浩介はリリルの上へと崩れ落ちた。足腰が砕けてしまい、身体を支えていられない。絶頂を迎えた後は、いつもこうだ。時折腰が痙攣し、思い出したようにリリルの中へと新たな精液を吐き出している。
「また、これやってもいいか?」
 リリルの頭を撫でながら、浩介は尋ねた。
 命令によって人形となったリリルは何も答えなかった。

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12/2/2