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第8節 締切直前 |
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リリルはダンボールの箱から四角い物体を取り出す。 手の平に乗るほどの灰色の立方体。見た目は紙粘土。魔力を蓄える草を粘土状にしたもの。大容量の術符のような効果があり、魔石などと違い形状を変えることも出来る。 「何でこんなことしてんだろ、アタシ……?」 街外れにある倉庫。結奈は秘密基地と言っていた。重火器が数個と爆薬類多数。入手ルートの見当はついたが、二十歳程度の娘がよく見つけたと感心する。 「口を動かす暇あったら、手を動かすー! 締め切りは目前よー!」 よく分からない機械を弄りながら、結奈が叫ぶ。 「はいはい」 生返事をしながら、リリルは粘土もどきに魔法式を組み込んでいった。 現在時刻午後十時二十五分。 |