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アール・グレイ 後編


「ねえ。お仕置きってなにするの……?」
 お嬢様が不安そうに僕を見つめる。
 屋敷の空き部屋を改造した研究室。元は師匠が使っていた部屋で、今は引き継いだ僕が使っている。部屋の中央に大きな実験用の机があり、壁際には本棚と薬品棚が並んでいる。多少汚しても問題ない部屋だ。
「今日は、何にしましょう?」
「痛いのは、ヤダよ」
 僕の右腕を握り、泣きそうな表情でお嬢様が呟く。
 僕は優しく微笑み、お嬢様の頭を撫でた。
「大丈夫ですよ。もう二度と痛いことはしません。前のことは謝りますから」
 ほっとしたように、お嬢様の表情が緩む。
 僕はポケットからプラスチックの手錠を取り出した。
「では、ちょっとじっとしててください」
 かちゃり。
「えっ」
 お嬢様の両腕は腰の後ろで拘束された。プラスチックなので、動いても怪我をすることはない。だが、女の子の力で引き千切ることはできない。
「ねえ……何をするつもり、なの……?」
「気持ちいいことですよ」
 僕は取り出した黒い布で、お嬢様に目隠しをした。
「何も……見えないよぉ」
 不安そうに周囲に視線を向けている。しかし、目隠しのせいで何も見えない。手は動かせず、目は見えない。これから何が起こるのか、予想できないのだ。
「次に、これを咥えてください」
 僕はハンカチをお嬢様の唇に触れさせた。
 お嬢様は首を小さく振って、
「いや……」
「お嬢様――返事は?」
「はい……」
 返事をして、ハンカチを咥える。
「落としちゃ駄目ですよ」
 僕は用意しておいたIpodを取り出し、イヤホンをお嬢様の耳に付けた。何もできない自分に何が起こるのか、不安げに身体を震わせるお嬢様。
 音楽を再生させた。
「――!!」
 びくりと身体が跳ねる。
「驚かないでください。前々回のお仕置きの様子を録音しておいたんですよ。せっかくですから、聞きながら楽しみましょう」
 お嬢様の頬が羞恥心に赤く染まっていた。
 僕はお嬢様の胸元に手を伸ばす。
 六つのボタンを外し、ブラウスを左右に広げた。白いブラジャーに覆われた、控えめな双丘。白く透き通った肌は、健康そのものである。
 僕はフロントホックを外した。お嬢様が逃げるように身体を動かしている。無駄な抵抗。ブラジャーを外すと、隠すものが何もなくなる。
 僕はお嬢様の胸にそっと右手を触れた。
「ん!」
 ぴくりと、身体が跳ねる。
 手ですっぽりと隠せるほどの大きさ。未成熟でありながら、適度な柔らかさと張りを持っていた。健康的な色の皮膚に淡い色の乳首が映える。
「お嬢様の乳首、起ってますね」
「んんっ!」
 僕はお嬢様の乳首を指で摘んだ。くにくにと刺激していく。指の動きに合わせ、ぴくぴと身体が反応していた。乳首がさらに起ってくる。
 用意しておいたクリップで、僕はお嬢様の両乳首を挟んだ。
「んンン!?」
 硬い感触に驚くお嬢様。洗濯バサミのような器具だが、締める力は弱いため痛みはない。クリップからは細いコードが伸びて、小型の機械に繋がっている。
 僕はお嬢様のスカートのホックを外した。
 はらりと落ちるスカート。純白のショーツがあらわになる。
「んー!」
 お嬢様が抗議の声を上げた。しかし、やめる気はない。
 僕はショーツの上に指を這わせる。
「んんん!」
「文句を言っているわりには、濡れていますよ」
 ショーツはしっとりと湿っていた。割れ目の上を撫でるたびに、湿り気が少しずつ大きくなっていく。お嬢様の身体から力が抜けてきた。足腰に力が入らないのだろう。
 快感を堪えるように、太股をすり合せる。
 僕は無造作にショーツを下ろした。
「んん!」
 隠すものもなくなり、成長途中の恥部があらわになる。健康的な肌に、割れ目とも呼べないスリット。薄い産毛が申し訳程度に生えていた。
 太股を動かして隠そうとしているが、意味はない。
 僕は身をかがめ、お嬢様の秘所に両指を向けた。スリットを上下に何度か撫でると、左指で膣口を指でつつきながら、右手でクリトリスを刺激していく。
「んん! んん!」
 腰が震え、あえなくクリトリスが勃起する。ピンク色の包皮に覆われた淫核。女性の中で最も強い性感を生み出す器官のひとつだと言われる。
 僕は三つ目のクリップでクリトリスを挟んだ。
「んん!」
 冷たい金属の刺激は、ちょっときついかもしれない。じきに慣れるだろう。生体接着剤を使っているので、多少暴れた程度では外れないようになっている。
 僕は直径五ミリの短い金属棒を、お嬢様のお尻へと差し込んでいた。
「ん! ……んん!」
「これで、準備完了です」
 僕は用意しておいて機械に手を伸ばした。手の平に乗るほどの四角い機械。
 お嬢様が不安と恐怖の混じった表情を僕に向けてくる。
「では、スイッチオン」
「!! んんんん! んんん! ――ンンンン!」
 身体が激しく痙攣し、お嬢様は思い切り仰け反った。電気により神経を直接刺激され、強烈なエクスタシーを迎える。ハンカチを離さないように必死で声を堪えていた。
 五秒間の絶頂を味わせてから、僕はスイッチを切る
 糸が切れたように脱力するお嬢様。
 僕は慌てて身体を抱きかかえた。右手でお嬢様を抱えたまま、ハンカチを取る。
「どうですか? 気分は?」
「ぅぁ……もう許して……」
 お嬢様は力なく答えた。
 ふと気づいて、僕は視線を落とす。
 お嬢様の股間から透明な液体が流れていた。あまりの快感に膀胱が耐え切れなくなって、お漏らしをしてしまったようである。床に水溜りができていた。
 にっこりと笑う僕に、顔を青くするお嬢様。
「駄目ですね。お仕置きです」
「ま、ま、まっ――」
 僕は再びスイッチを入れる。
「――っあああっ! あっあっあっ! ふあああああっ! いいいいあああ!」
 僕の腕の中で、お嬢様は再び絶頂を迎えた。全身の筋肉を収縮させて、絶叫を迸らせてる。舌を突き出し、涎を流し、目隠しの間から涙を流した。
 電気刺激による、意思とは関係なしの絶頂。
 十秒経ってから、僕はスイッチを切った。
 がくりと脱力するお嬢様。目隠しとイヤホンを取り、声をかける。
「気絶してないですよね」
「……はぃ」
 震え声の返事が返ってくる。
 僕はお嬢様を抱え上げて、仰向けに机に寝かせた。
「これ以上やると壊れてしまうかもしれませんからね。それでは、ご褒美ですよ」
 僕はチャックを下ろし、自分の分身を取り出す。
 お嬢様がごくりと息を呑んだ。頬を紅く染め、虚ろな顔で僕を見つめている。待ち焦がれているような、そんな顔。
「あぁ……。来て……おねがい」
「よろこんで」
 僕は肉棒をお嬢様の膣口に添える。
 お嬢様は僕と自分の交わる部分をじっと見つめていた。
 強烈な絶頂を迎えても、それは偽者。やはり、本物の快感が欲しくなるのだ。ましてや、身体を無理やり発情させられた状態では。
 僕はゆっくりと腰を動かした。
「ふああ、あぁぁ、ああぁ、ああぁ」
 お嬢様の艶かしい声を聞きながら、膣内を進んでいく。蜜でとろとろに溶けた膣内。複雑な形をした粘膜が絡みついてくる。それだけで、射精しそうだ。
「ン!」
 お嬢様の身体が跳ねる。先端が膣口にぶつかった。
「では、動きますよ」
「はやく――お願い」
 苦しそうなお嬢様に微笑みかけ、僕は控えめな乳房に手を添えた。押し潰すようにこねながら、腰を前後させる。膣肉と陰茎が擦れあい、過剰に分泌された蜜がぐちゅぐちゅと卑猥な音を奏でていた。
「どうですか、お嬢様」
「ああっ、ふあぁ、いいよぉ。気持ちいい、もっと、もっと無茶苦茶にしてぇ」
 お嬢様は恍惚の表情を浮かべていた。
 僕は右手を伸ばし、スイッチに触れる。
「では、思う存分イってください!」
「あっ。待って、それ」
 カチッ。
「ッ―――!!!」
 お嬢様は三度目の絶頂を迎えた。声も上げることができない。弓のように仰け反り、全身の筋肉を硬直させる。膣が強烈に締め付けられ、電気刺激により僕自身にも強烈な快感が襲い掛かった。
「お嬢様、出します!」
 言い終わるよりも早く、僕は射精している。
 びくびくと全身を震わせて、白い精を解き放った。電気刺激のせいだろう。いつもの何倍もの快感が脳を直撃していた。
 通常の数倍の時間達してから、ようやく精が尽きた。
 スイッチを切り、腰を引き抜く。
 完全に失神したお嬢様を眺めながら、僕は呟いた。
「またお仕置きを受けたい時は、わがままを言って下さいね」

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