Index Top 第7話 夏の思い出? |
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第4章 かなり後悔 |
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「それはこれからのお楽しみ」 リリルと分身が右手を持ち上げた。パンと両手を打ち合わせてる。それに意味があるかは不明だが、おそらく景気づけだろう。二人揃って浩介へと向き直った。 本体のリリルが、飢えた獣のような笑顔を見せる。 「まだまだ始まったばかりだぞ?」 「………」 何も言わぬまま、リリルの分身が動いた。 ベッドの上に素早く移動すると、倒れた浩介の身体に両手を回して、上体を起す。ベットの縁に腰を下ろした体勢で、後ろから分身に支えられていた。 今は両肩を掴んでいるだけだが、ひどく嫌な予感がする。 「何する、気だ?」 「気持ちいいことだよ。そんなに心配しなくても平気だって。アタシは契約上、お前の許可無しに危害加えることできないんだから」 人差し指を振りながら、得意げに解説する。契約上、リリルは浩介を攻撃できない。しかし、浩介に本気でリリルを支配する気が無いためなのか、嫌がらせレベルのことはできるようだった。 「いや、待――」 言いかけた所で、分身が狐耳を口に含んだ。 「ふあっ!」 さらに、両手で浩介の胸を弄り始める。分身は半自動だが、リリルとの感覚の共有もしているらしい。極めて慣れた手付きで、緩急と強弱を付けながら、両乳房をこねるように攻めていた。 「あっ、ひぁっ……。ふああっ、まっ……! ふなぁ、命令――ンぐ」 言いかけた所で、分身の右手が口を塞ぐ。命令で無理矢理止めさせようとしたが、口を塞がれては声を出すことができない。 (お前はァ……!) 快感に引きつる身体で、喉を震わせながら、浩介はリリルを睨む。 「悪いがコースケ。気が済むまで付き合うって言ったんだ。アタシの気が済むまでやらせて貰うぞ? 止めるように命令はさせない。後でどんな報復されようと、アタシはここで止める気はないからな」 金色の瞳に情欲の炎を灯しながら、言い切った。目の色を変えていると表現するのが正しいのだろうか。半分ほど理性を失っているようだった。 「……ッ! んっ、ッッっ!」 分身の攻めは止まっていない。 リリルはその場にしゃがみ込むと、浩介の穿いているズボンを半ば強引に脱がせた。じっとりと濡れた水色のショーツを見つめながら、口元を緩ませる。 「雌の匂いがする……」 静かにそう呟き、ショーツを下ろし、放り捨てた。 鼻を突くような、そんな匂い。人間の嗅覚には感じ取れない程度の、意識を揺さぶる扇情的な刺激臭。リリルの言う雌の匂いというものなのだろう。 露わになった秘部を見つめながら、リリルが舌なめずりをしている。 「きれいだな。お前はやっぱり最高の女だよ。一度やったら病み付きになるような女だ。同じ女として羨ましいくらい、上等な身体してるよ」 不敵に笑いながら独りごち、浩介の秘部に口を押しつけた。リリルの唇が触れ、少しざらつきのある舌が、淫核から膣口までを嬲るように舐め始める。 「んんン!」 浩介は身体を跳ねさせた。 下腹から走る新たな快感。他人に見られたくない場所に、口を付けられ、さらに味わうように舌で舐められる。今まで体験したこともない攻め。その羞恥心と背徳感、異常性に、浩介は感じたこともない興奮を覚えていた。 一度口を放してから、リリルは口元に溢れた汁を舌で舐め取る。 「イヤらしい味だ。ソーマの婆さんがそう作ったのか、お前本来の素質なのは知らんけど、アタシは興味ない。気持ちよければどっちでもいいからな」 そう言うなり、再び秘部へとむしゃぶりついた。 「ひっ! んっ……う、むッ」 生き物のように蠢く舌が、膣内へと差し込まれる。膣液を舐めるように。内股に力が入り、リリルの頭を挟み込むが、意にも介していない。 それどころか、両手を伸ばして尻尾を握り締める。 「あぐ!」 浩介は再び身体を大きく跳ねさせる。 卑猥な動きをする十指が、的確に感じる場所を刺激していた。 性感帯と呼べる場所全てを同時に攻められ、絶頂感が止まらない。両目から涙が溢れている。身体が言うことを聞かず、手足が引きつり勝手にあらぬ動きをしていた。イきっぱなし、という言葉が頭に浮かぶ。 「ふッ――。ッッ!」 何度も意識が飛びそうになりながらも、気絶することもままならない。 何分そんな状況が続いたのだろうか。 リリルが口を放した。分身の攻めも弱まる。 朦朧とした意識の中で、浩介は何も出来ずにリリルを見つめていた。荒い呼吸と虚ろな目付き。目元からは涙が、口元から涎が流れ出ている。身体には力が入らず、両手を持ち上げることも出来ない。 「ここまでやれば、準備は万全だろ。もうとろとろに溶けてるから、挿れても痛くないだろうし、アタシも限界だし。……ちょっとやりすぎたかな?」 すっとその場に立ち上がり、短く呪文を唱えるリリル。 「Erection the Rod」 魔力が股間に収束し、男性器を作り上げた。厳密には、身体に転写してある男性の機能を動かすものらしいが、身体の変化は変わらない。成人男性ほどの大きさだろう。白いショーツを膨らませ、猛っている。 リリルは自分のものを軽く手で撫でた。その感触に肩をすくませる。 「っ……。やっぱり、男ってのはイイものだな」 気の抜けた表情でそんなことを呟いていた。口元は緩み、瞳からは理性の色が七割方抜け落ちていた。呼吸も荒い。一度喉を鳴らしてから、浩介の股間を見つめる。 飢えた獣のような眼差しに、浩介は息を止めた。殺気立った眼差し。両手で浩介の両足を掴み、大きく開脚させる。大事な部分が隠すものもなく露わになった。 「お……! まッ……!」 慌てて声を上げようとするが、分身がきっちり口を塞いでいて、まともに喋ることもできない。いつの間にか分身の尻尾が両手を拘束していて、手で隠すこともできない。口も手も、本気の拘束だった。 リリルがにっと凶暴な笑顔を浮かべる。 「さ、行くぞ?」 言うが早いか、自分の先端を膣口に押し当て、腰を前に押し込んだ。 「ぐっ――」 肉を掻き分ける異物の感触に、浩介は全身を強張らせた。男なら本来感じることのないものだろう。注射のイメージが脳裏に浮かんで、消える。 場合によっては痛みを伴うものなのだろうが、今までの前戯のおかげか痛みは全くなかった。それが幸運なことなのか否かは分からない。 リリルのものが一番奥まで差し込まれた。下腹を満たす圧迫感。 「ああぁ……。最高だ」 恍惚の表情で、リリルが甘い吐息を吐き出している。 そして、休む暇もなく腰の前後運動を始めた。 「ッ! むっ……、ん……、ぐっ――」 早くもなく遅くもなく、的確に感じる動きをするリリル。 浩介は背中を反らし、声にならない声を上げた。分身の手が胸への刺激を強めつつ、狐耳をしゃぶる口の動きも今まで以上に強いものとなっている。 リリルのものが膣の奥を突くたびに、強烈な衝撃が脳髄まで届いていた。一撃で失神しそうになりながら、次の一撃で意識も覚醒させらる。 (お、俺……壊れるかも……) 溺死するような快感の中で、思考の片隅におかしいほど冷めた自分がいた。幽体離脱でもしているようにも感じる。だが、今の状態ではどうすることもできない。我を失ってしまった方が気楽かもしれない。 リリルが声を上げた。 「一発目行くぞ!」 「ン!」 ひときわ強く膣の奥が突かれる。と、同時にリリルが射精していた。じわりと暖かい何かが下腹の奥に入ってくる。リリルの身体から力が抜けるのが分かった。 リリルが両足から手を放し、膣から自分のものを引き抜く。 (終わった……か?) そう安堵する暇もなく、リリルが言い切った。 「二回目開始! High recovery! inject stamina!」 回復魔法を叩き込まれ、身体に体力が戻る。もうひとつは、体力強化の魔法だろう。しかし、それは浩介のことを考えての行動ではない。 (こいつ、本気で満足するまで続ける気か!) 見上げると、リリルの表情から完全に理性の色が抜け落ちていた。牙を剥き出しにした凶暴な哄笑、口元からは涎が垂れている。浩介もほとんど思考停止であるが、リリルはその程度ではない。正気を失っていると言っても過言ではないだろう。 「んんンー!」 必死に止めようとするものの、声が出なければ止めることも出来ない。 肩を鷲掴みにされ、浩介はひっくり返された。腕を拘束されているため、受け身も取れずにベッドに突っ伏す。スプリングの効いたベッドなので痛みはない。 身体の向きが変わったおかげで分身の手が口から離れた。 「リリル! 止――」 だが、命令を発する暇もなく、再び口を押さえられる。必死に睨み付けてみるが、リリルの分身は感情の薄い眼差しを返すだけだった。分身とは感覚は共有しているようだが、分身自体に自我はないらしい。 「止めさせないって言っただろ? 往生際の悪いヤツだな」 「んグッ!」 背後から襲った鈍い衝撃に、浩介はくぐもった声を発する。リリルが背後から一気に挿入したのだ。正常位よりも深く入ると言われる後背位。さきほどよりも深い衝撃が、脳髄まで突き抜ける。横隔膜が震えて、しゃっくりのような息が漏れた。 意識を逸らした所への不意打ち気味の快感に、確実に意識が吹き飛ぶ。 だが、それも数瞬だった。 続けて打ち込まれた快感に、意識が引き戻される。 リリルの左手が胸を後ろから鷲掴みにしていた。乳房を掴んだまま、左腕で浩介の身体を持ち上げる。上体を反らされ、さらに深く膣へと差し込まれた。 「ふぐっ……」 それだけでは終わらない。左手で胸を弄りながら、右手が尻尾を捕らえていた。乱暴な動きだが、溢れる快楽に痛みがかき消されている。 その状態で、リリルは前後運動を開始した。 「ンぐぐぐ――! むッ……!」 浩介の喉から漏れる声にならない悲鳴。 終わらない絶頂感に、手足が不規則に痙攣を続ける。 リリルの分身が器用に右手で口を押さえたまま、浩介の身体を支えていた。本来ならとうに失神して動けない状態なのだろう。だが、リリルの掛けた体力強化の魔法が、無理矢理身体と意識を動かしていた。 だが、それはお世辞にも幸運な状態とは言えない。 (死ぬ、本当に死ぬ……! て、待てッ!) 涙で霞んだ視界に、分身が左手を持ち上げるのが見えた。何をしようとしているかは考えるまでもない。左手の親指と中指を左右の狐耳に差し込んだ。 「ん!」 目を見開きながら、浩介は全身を硬直させた。視界が真っ白に染まり、暗転する。筋が釣るかと思うほどに手足が収縮し、両手の指がかぎ爪のように曲げられ、呼吸も止まった。再び数瞬の失神。 「うっ、締め付けてくる……!」 そして、再び膣内へと精が解き放たれる。 現実に引き戻された意識の中で、リリルが身体を震わせながら二度目の射精を行っているのが分かった。数秒ほど快感を堪能してから、力を抜いている。 自分が失禁しているのを、浩介はぼんやりと理解した。 「ふぅ。最高だ」 男ならば通常連続射精は無理である。しかし、リリルの男性器は魔法によって作られたもの。文字通り魔力が尽きるまで勃ち続け、何度でも何十度でも射精が可能だ。 「さあ、次は何しようか。Shadow Doll Second」 呪文とともにリリルの傍らに生まれる二体目の分身。魔力の節約と言っていた気がするが、もはやそんな気はないようだった。 魔法が使えなくなるまで、浩介を陵辱する気らしい。 「グ、ガァ……ッ!」 二体目のの分身が、浩介を愛撫し始める。今までの度重なる攻めに、全身が性感帯となった身体。ただ、手で撫でるだけでさえ、達するのに十分な刺激だった。いや、もう何十回も絶頂を迎えている。 (本当に死ぬかも……?) 浩介は他人事のように、そんなことを考えた。 |