Index Top 第2話 雨の降る前に

後編 静かな夜の


 両腕で抱きかかえた沙雨。
 身長五十センチくらいの小さな身体で、人形かぬいぐるみのようでもあった。しかし、柔らかさや暖かさもあり、生き物だと分かる。見た目は十代半ばの女の子。
 左腕で肩の辺りを抱きしめつつ、慶吾はそっと右手を動かし、沙雨の胸に触れた。白衣越しに控えめな膨らみを指でやさしく押し、円を描くように指を動かす。
「くすぐったいな……」
 沙雨が肩をすくめた。
 小さな身体だが、体格は相応のものである。大人というには早い、いくらか幼さの残る体付きだ。人形のような身体も含めて、色々と背徳感を覚える。
 それは表には出さず、慶吾は手を動かした。膨らみの縁をなぞるように指を動かし、先端の辺りを指先で軽くひっかくかく。
「んっ」
 抱きしめている慶吾の腕に、沙雨は手を触れさせた。少し身体を強張らせる。
 やはり緊張しているらしい。慶吾は手で包むように、優しく胸を揉み始めた。片手だけですっぽりと覆えてしまう小さな乳房。無理をすれば壊れてしまいそうな身体を、丁寧に暖めていく。
「ふぁ、んっ」
 甘い吐息を漏らす沙雨。
 上衣の上から乳首が起っているのが微かに分かる。
 慶吾は指先で乳首を引っ掻いた。
「んんっ!」
 沙雨が身を縮める。両手を握り締め、手足に力を入れた。
 肩越しに振り返り、口を開く。
「……胸ばかり触っても、物足りないだろう。遠慮はするな」
「ああ」
 慶吾は左手を下ろした。
 行灯袴の裾を持ち上げ、沙雨の足に触れる。細く引き締まった両足。爪先から足首、すね、膝、太股へと順番に持ち上げていく。
「うぅ……」
 沙雨が戸惑ったように身体を捻っていた。
 今までこのような経験は無いのだろう。強がってはいるが、その奥に隠した不安が慶吾にも感じ取れる。慶吾はその不安を受け止めるように、沙雨を腕で抱きしめる。
 慶吾の思いが伝わったのか、沙雨は少し力を抜いた。
 太股を撫でる手を少しずつ上へと移動させる。
「ん……」
 指先がショーツに触れた。行灯袴の下に穿いている着物用のショーツ。滑らかな素地。そのクロッチ部分は、微かに湿り気を帯びている。
 慶吾はショーツの上から、沙雨の秘所をなぞるように指先を動かす。
「あっ、んっ――」
 右手で口元を押さえ、沙雨が片目を閉じる。
 常夜灯の照らす暗い部屋。外から聞こえる雨の音と車の音。暗く静かな部屋の中、慶吾と沙雨の心臓の鼓動が響いている。そして、沙雨の甘の吐息が妙に大きく響いていた。
 ショーツの素地を指先でどかす。
「ん!」
 指先に感じる沙雨の秘部。
 大事なところへと直接触られ、沙雨は声を呑み込む。
 僅かに粘度のある液体。小さな縦筋と、その付け根にある小さな肉芽。そこを往復するように指先で擦りながら、慶吾は膣口に指を触れた。
「指挿れるぞ?」
「……ああ。好きにしろ」
 一拍の間を置いて、沙雨が答える。
 慶吾は沙雨の秘所へと指を差し込んだ。
「あ、ああっ……」
 柔らかな肉をかき分けながら、人差し指が沙雨の体内へと呑み込まれていく。熱く狭い膣内。蠢きながら指を包み込んでくる肉の感触。
「本当ならこれくらいが丁度いいんだろうけど」
 指に絡みついてくる膣壁の感触に、慶吾は唾を飲み込む。沙雨のサイズから考えると、中に挿れられるものは指くらいの大きさが丁度いいのかもしれない。
 人差し指を動かしつつ、親指で縦筋の淫核を擦る。
「ふあ!」
 慶吾の右腕にしがみつく沙雨。
 右手で胸を弄りながら、左手で膣を刺激する。沙雨の身体が徐々に出来上がっていくのが分かった。身体を震わせ、息を荒くし、湧き上がる快感を受け止めている。
「ああっ。待て、慶吾……!」
 しかし、沙雨は慌てて声を上げた。
「指で、は……あっ、なくて――ンッ、お前のものをよこせ……!」
 慶吾は一息つき、左手を引いた。
 ぬるりと、指が抜ける。
「あぅ……」
 沙雨が肩の力を抜いた。
 慶吾は濡れた左手を目の前に持ってくる。透明な液体が常夜灯の光を受けて、淡く光っていた。濡れた指を口に含むが、味はしない。
 じっとりと皮膚に汗が滲んでいた。暖かい程度だった布団の中は、汗をかくほどに熱を持っている。自覚以上に興奮しているのだろう。心臓の鼓動が身体に響いていた。
 沙雨を両腕で抱きしめ、前後を入れ換える。
 顔は赤く染まり、目元には涙が、口元には涎が滲んでいた。泣いているような笑っているような怒っているような顔。感情が溢れているのだろう。
「あんまり……じろじろ見るな」
 黒い瞳で慶吾を睨み付ける。
 空笑いをしてから、慶吾は沙雨を抱えて身体を起こした。布団が落ち、部屋の空気が火照った身体から熱を奪う。
「お主ももう限界だろう?」
「まあな」
 一度頭を掻いてから、慶吾はズボンの前を開いた。
 全開のものを目にして、沙雨がにやりと笑う。
 慶吾は沙雨のお腹を両手で掴み、身体を持ち上げる。
「遠慮はいらぬ。一気に貫け」
 瞳に妖しい色を映す沙雨。右手で紺色の行灯袴をたくし上げ、白いショーツを横にずらした。濡れた秘所が露わになる。とても慶吾のものが入るとは思えない小さな縦筋だが、そこは神様なので大丈夫らしい。
「行くぞ」
 慶吾のものの上に沙雨を下ろす。
 沙雨が左手で先端を押さえ、自分の膣口へと添えた。
 ゆっくりと沙雨を下ろしていく。慶吾のものが沙雨の膣へと呑み込まれていった。蠢く濡れた膣壁。指を入れた時でさえきついと感じたのだが、指より太い慶吾のものを沙雨は根元まで呑み込んでしまう。
「凄いな……」
「アタシは神様だからな。無理が利く」
 沙雨は袴の裾を掴んでいた右手を離す。袴が落ち、繋がっている部分が隠れた。繋がっている部分は見せたくないらしい。
 慶吾のものが収まったお腹を撫でながら、沙雨は小さく笑った。
「さすがに多少苦しいが、こう……身体が満たされるようだ。やはりお主とは相性がいいのだろう。アタシが見込んだだけはある」
 そう言って視線を向けてくる。
 慶吾は両手で沙雨を抱え、ゆっくりと上下に動かし始めた。熱い膣壁が慶吾のものを激しく刺激する。静かな部屋に、響く湿った音。
「うん……はっ、熱い……! ふあ、お腹が溶けそうだ……あっ!」
 口元から涎を垂らし、沙雨が頬を緩める。
 体格差のためそれほど激しい動きはできない。返ってそれが沙雨に深い快感を与えているようだった。沙雨の中を慶吾のものが、丁寧に上下に動いている。
 慶吾は左手で沙雨の右手を握り締めた。
 応えるように沙雨が手を握り替えしてくる。
「んんっ、あっ。くっ……!」
 涙と涎と汗に濡れた顔で、ぎこちなく微笑んだ。
 痛みすら覚えるような痺れが、背筋を駆け上がり、脳髄を叩く。みぞおちの辺りが、焼け付くように熱い。喉が渇き、身体が熱い。意識が融けるような快楽の中で、冷静な思考がそろそろ限界が近いのだと伝える。
 慶吾は沙雨の奥まで自分のものを差し込んだ。
「出るぞ」
「来い。全部受け止めてやる」
 沙雨が不敵に微笑む。
 慶吾は右手で沙雨の頭を押さえ、顔を上に向かせた。
 その唇に自分の唇を重ねる。沙雨は静かに口付けを受け入れた。
「……!」
 身体を貫く衝撃とともに、精を放つ。小さな身体の奥へと。まるで沙雨に吸い出されるように、大量の精液を吐き出していた。痛みすら覚えるほどの射精感。
 数秒か、十数秒か。
 慶吾は沙雨の唇から自分の唇を離した。緩い脱力感を覚えながら、なんとなく沙雨の髪を手で撫でる。汗を吸った黒髪。
 舌で唇を舐め、沙雨は満足げにお腹を撫でる。
「随分と出したな」
「沙雨の中が気持ちいいからな」
 深い呼吸を繰り返しながら、慶吾は呟く。
「そう言って貰えると嬉しいぞ。では、このまま抜かずに第二ラウンドと行くか。大丈夫だ。今のお主なら十回くらいは出せる」
 沙雨は慶吾を見上げ、微笑んだ。

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11/9/16