Index Top ネジまくラセン!

第22話 ネジ巻く


 カチリと、ネジが音を立てた。
 スカートを脱がせ、レオタードも脱がせる。
 両手で裸になったラセンを抱え上げ、オーキはその身体に舌を這わせていた。お腹からへそを舐め、浅い胸の谷間へと。熱を帯びた肌の感触。
「うん……ふぁ……」
 身を捩り、ラセンが尻尾を動かしている。
 控えめな胸の膨らみを口で包み込み、先端の突起に舌を這わせる。
「ひっ!」
 ラセンの身体が小さく跳ねた。
 構わずオーキはラセンの乳首を甘噛みする。それが人形である事を忘れそうになる生物的な肌触りと反応。左手で身体を抱えたまま、右手で背中を肩を、足を撫でた。
「あぅ、あぁぁ……」
 細かく痙攣するラセン。顔を赤く染め、だらしなく声を漏らしている。
 艶を帯びた声と、荒い吐息、艶めかしく悶える手足。まるで本物の生き物と錯覚するほどに生々しい。いや、魔術生命体という言葉の通り、一種の生き物なのだろう。
 オーキはラセンから口を放す。
 唾液で微かに光を帯びた肌。
 目元に涙を滲ませ、身体を震わせながらも、ラセンは気丈にオーキを見上げる。
「アタシは……旨いか?」
「それなりに、な」
 唇を舐め、オーキは細く笑った。
 ほんの微かにだが、ラセンの肌は甘味がある。どういう仕組みかは分からない。クリムの話では、身体に取り込んだ微量の栄養物や水分や太陽光を用いて光合成のような事をしているとか。事実かどうかは不明だが。
 誘うように尻尾を揺らし、ラセンが下腹に手を伸ばす。
「そろそろ、ここにお前のものをくれないか? 疼いてしかたがない」
 何もない、きれいな縦筋から、微かに粘りけのある液体が漏れていた。
 じっとそこを見つめ、オーキは腕を持ち上げた。ラセンを支えている両腕。その片方を腰の後ろに添え、小さな身体を地面と水平になるように傾ける。
 そして、両足の付け根に顔を近づけていく。
「ん、オイ、何する――?」
 慌てるラセン。
 オーキは何も答えぬまま、ラセンの割れ目に口を近づけた。本当の女とは同じなのか違うのかは知らないが、きれいな秘部である。
 かぷ、とオーキはそこに噛み付いた。
「ふっ!」
 小さな身体が跳ねる。
 果物を味わうように、オーキはラセンの秘部に舌を這わせる。小さな淫核を舐め、割れ目の奥の膣へと舌を差し入れる。舌に絡み付いてくる粘液。味も無く匂いもないが、ほのかに暖かい。
「あああっ! オイ、小僧ッ! こらっ、やめっ――」
 両手で抵抗するようにオーキの頭を押えるラセンだが、その行動に意味は無かった。食い縛った歯の間から涎を垂らし、片目を瞑り、悶えるように身体を捻る。
 柔らかく弾力があり、波打つ肉の壁。その中に舌を差し込みながら、両手でラセンの胸を撫でる。指の動きに合わせて形を変える丸い膨らみ。
「んんん……ぅぅ……ぉぉ、ふっ、ぁぁぁぁ……」
 身体を捻り、ラセンが引きつった声を上げる。尻尾を振り、全身を細かく痙攣させながら。舌と手で敏感な部分をまさぐられ、ただ無力に悶えていた。
 誰も見ていない暗い部屋に、小さな湿った音と、抑えた甘い声だけが響く。
「ひっ、ひぁっ!」
 そして、ラセンの身体が二度大きく跳ねた。
 オーキはラセンから口を放し、腕を下ろした。
 両手両足をだらりと下ろし、擦れた呼吸を繰り返している。時折身体のどこかが小さく跳ねている。赤い瞳はどこへとなく向けられ、焦点もあっていない。
「やりすぎたか?」
 その様子に眉を寄せるオーキだが。
 不意にラセンが視線を向けてきた。引きつったような笑みとともに、
「まだ、大丈夫だ……。それより、小僧。は、早く……しろ! いつまで焦らす、つもりだ? アタシも、我慢の限界だ……。気が狂い、そうだ……」
 震える手で割れ目を撫でる。
 指先に糸を引く粘液。
 オーキは息を止め、ズボンを下ろした。既に準備はできている。
「!」
 いきり立ったものを目にし、ラセンが息を呑んでいた。狐耳と尻尾が垂れる。これが自分の中に入ると考えると、やはり緊張するのだろう。
 だが、オーキは止まらない。ラセンを抱え、濡れた秘部へと先端を添える。
「んっ」
 目を閉じ、息を止めるラセン。小さな手で、しがみつくようにオーキの腕を掴んだ。
 熱を帯びた淫猥な肉を掻き分け、オーキのものがラセンの体内に呑み込まれる。ラセンの身体に人間のものは大きすぎるように見えるが、それを呑み込める柔軟さはあるのだ。
「ああっ、あっ、ぁぁぁっ!」
 ラセンが甘い悲鳴を上げる。尻尾が跳ね、狐耳がぴんと伸びる。
 そうして、オーキのものが根元まで呑み込まれた。
「んっ!」
 目を閉じ背中を丸める。また達したらしい。
 ラセンの髪の毛を指で梳きながら、オーキは尋ねる。
「大丈夫か?」
「大丈夫だ――アタシを誰だと思っているんだ、お前は」
 片目を開け、挑発するように笑うラセン。
「大丈夫そうだな」
 そう確認してから、オーキはラセンの腰に手を回した。熱を帯びた滑らかな肌。小さなお尻を両手で抱え、そのまま上下に動かす。
「ふぁっ! 待て、いきなり動かす……あはっ、ふっ、はっ、ああっ!」
 両手を胸元で握り合わせ、ラセンが悲鳴じみた嬌声を上げる。膣奥の突くたびに衝撃が中枢まで届いているような反応だ。さらに生き物のように蠢く肉壁が、オーキのものを容赦なく扱き上げている。
 カチリ。
 ラセンの背中でネジが鳴った。
 ふと、動きを止めるオーキ。
「……はっ、はぁ。ん?」
 息を切らしながら、ラセンが目を向けてくる。
 その顔に、焦りの色が浮かんだ。
「おい、何を思いついたんだ?」
 オーキは左手でラセンを抱え、右手を背中に伸ばした。手に触れる金属の感触。ラセンの背中に取り付けられたネジだった。いつも朝巻いているネジ。ラセンの動きの基点となるゼンマイ。
 オーキはネジを動かした。
 ギギギッ。
 ゼンマイの巻かれる音とともに。
「ひぅあぁっ!」
 オーキのものに身体を貫かれたまま、ラセンが仰け反った。衝撃に打たれたように顎を跳ね上げ、背筋を逸らす。どうやら、この状態でネジを巻かれるのは、かなりの快感になるようだった。
 ラセンが引きつった声を上げる。 
「あっ、ふあぁ……、やぁっ……。まっ……待て、待て! 小僧。さすがにっ……はっ、これはマズいぞ、おい……やめろ、聞いている――」
 ギギギッ。
 無視してオーキはネジを巻いた。
「ンンンン……ァァァァァッ!」
 擦れた声を上げ、ラセンが絶頂を迎える。全身の筋肉を伸縮させながら、大きく口を開き舌を突きだし、声にならない声を上げる。
 強烈な締め付けに射精しそうになるも、オーキは耐える。
 半分放心しながら、ラセンが呟く。
「からだが、とけるかと、おもった……」
「俺はまだイってないぞ?」
 ラセンの頭を撫でながら、オーキは告げた。
「!」
 目を見開くラセン。
 オーキは両手でラセンを抱え、小さな身体を上下に動かし始めた。オーキのものがらせんの中を上下に動く。それはオーキ自身だけでなく、ラセンにも大きな快感を与えていた。衝撃に耐えるようにオーキにしがみつきながら、ラセンが叫んでいる。
 部屋に響く淫猥な水音。
「こら、待て! 少し休ませ……ああっ! あっ、んんっ、ああっ! ふあぁっ! おかしくなるっ! ああっ! それは駄目……だ……!」
「行くぞ」
 オーキはネジを掴み、
 ギギギギッ。
「!」
 巻いた。
 ラセンの身体が跳ねる。一度大きく痙攣。
「……ぁ―――ァァ……!」
 喉から漏れる擦れた声。今までで一番大きな絶頂だった。オーキの身体にしがみついたまま、何度か身体を不規則に痙攣させている。
 そして、オーキもまたラセンの体内に大量の精を解き放っていた。
 ラセンの小さな身体を両手で抱きしめ、射精の余韻に浸る。
 数秒ほどの沈黙。
 オーキは脱力したラセンの頬に手を添え、顔を上げさせた。
「おい、大丈夫か?」
 両目から涙を流し、口元から涎を、鼻から鼻水を垂らし、ラセンが泣き笑いのような無茶苦茶な顔で見上げてくる。
「心配……するなら、最初から、やるな……バカが」
「大丈夫そうだな」
 オーキはあっさりと判断し、ラセンの頭を撫でた。

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13/7/25