Index Top 第3話 浩介の休日 |
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第7章 初めての体験 |
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胸の膨らみを右手で撫でる。 手の平で包むように触れ、優しく回すように手を動かした。弱い刺激が、胸を移動している。撫でるだけで、まだ指を押し込んだりはしない。 「何だ、これ……」 浩介は小さく唸る。 手の動きに合わせて、わさわさとした何かが広がっていた。喉の奥が焼けるように熱い。極度に興奮した時のような胸の乾き。 キツネ耳と尻尾が反応している。 右手だけでなく左手も胸に触れた。男として女の快楽を得る。好奇心と羞恥心、背徳感が、あり得ないほどに興奮を高めていた。 手が乳首の辺りに触れると、背筋が粟立つ。 両手の人差し指で、服の上から乳首を押してみた。 「ん……」 声が漏れる。服の上からでも、乳首が立っているのが知れた。 浩介は右手で口を押さえ、左右を見やる。部屋にいるのは自分一人だけだ。誰も見ていないし、邪魔も入らないし、誰かが咎めることもない。 「直接触ったらどうなんだ?」 自問してから、実行に移す。 浩介はシャツに手をかけ、無造作に脱ぎ捨てた。部屋の涼気が肌に直接触れて、身震いする。涼しいようで熱い。ブラジャーをどうするか迷って―― 脱ぎ捨てる。 脱いだものはベッドに放った。 何もつけていない、乳房。きれいなお椀型の膨らみ。滑らかな白い肌。つんと起った淡い色の乳首。引きつるような感じを覚える。 浩介は両手で胸を包み込んだ。 「これは……」 心地良さが身体に染み込んでいく。尻尾がぴんと立った。 両手の指を曲げて乳房を揉む。 「ん。気持ちいい……」 柔らかい双丘が、指の動きに合わせて形を変えた。男では味わえない、何とも言えぬ暖かさ。手の平が乳首をこするたびに、弱い電気が流れる。 浩介は胸から手を離し、乳首に指を触れさせてみた。 「っ……!」 声を飲み込む。 身体が跳ねた。 意を決し、浩介は両手の指で乳首を摘む。それだけで、身体が反応していた。 乾いた唇を嘗めてから、指を動かす。 「ぅあぁ……」 喉を震わせ、浩介は身体をよじらせた。 目が虚空を泳ぎ、甘い声が漏れる。しかし、指は止まらない。転がし、捻り、引っ張り、押し潰し、背筋を駆け上がる快感を貪る。 ひとしきり楽しんでから、浩介は指を止めた。 「あ、ははぁ。すごい」 荒い呼吸とともに、虚ろな笑みを浮かべる。胸だけでこれほど感じるとは、男では考えられないことだった。身体の仕組みが違うのだと、実感する。 浩介は視線を落とした。 股間が熱い。痺れるような感覚。 無意識のうちに、太股を擦り合わせてている。 「濡れてる?」 浩介は腰を浮かし、ズボンを膝まで下ろした。 白いショーツに覆われた何もない股間。男ならば勃起という明確な生理現象があるのだが、女にはそういうものはない。しかし、男以上に激しく疼いている。 右手をそっと秘所に触れさせた。 「んんー……」 ぞわぞわとした寒気が背筋を撫でる。ショーツの生地が湿っていた。 人差し指を湿り気の上に這わせる。左手が知らないうちに、胸を弄っていた。 「くぁぁ」 掠れ声が絞り出される。 割れ目を上下に撫でる指の動きと、指先に感じる滑らかな綿の手触り。ぴくぴくと腰が跳ねた。指に伝わる湿り気が、大きくなっている。 「我慢できない」 浩介はごくりと喉を鳴らした。 ショーツの中に手を滑り込ませる。熱と湿り気を帯びた空気が手を包んだ。胸の奥が熱い。一瞬躊躇してから、割れ目の上辺りに中指を触れさせる。 浩介は指を真下に動かした。 「うっ。く……っ!」 目を瞑り、歯を食いしばる。股間から全身に衝撃が駆け抜けた。ショーツの上から擦った時とは比べものにならない。 中指の腹で、割れ目を上下に擦る。ふっくらとした恥丘と割れ目を確認するように、指を動かした。左右の恥丘の柔らかさを確認するのも忘れない。 「ああっ……ふぁ。うぁぁ」 感電したように身体が震える。浩介は天井を仰ぎ、甘い吐息を漏らした。声が抑えられない。温かい愛液が溢れ、指とショーツを濡らす。 尻尾がぱたぱたと勝手に動いていた。 「そうだ。尻尾……」 浩介は胸から手を離した。右手の動きは止めない。 沸騰しかかった脳を動かしつつ、尻尾を見つめる。自分の意志とは関係なしに動くキツネ色の尻尾。視界がぼやけているが、気合いで狙いを定める。 左手を伸ばし、ぎゅっと握り締めた。 「あふっ!」 身体が跳ねる。 軽く達してしまったらしい。 だが、身体の疼きは収まらない。 左手で強弱をつけて、尻尾を愛撫する。 「あぁっ。これはっ、予想……以上……!」 浩介は思わず呟いた。 尻尾から背中へ、そして背中から全身へ。手の動きが、熱い波となって伝わっていく。人間ではありえない感覚。何も考えられない。 それでも、身体は本能に従いさらなる快楽を求めていた。 右手がクリトリスに触れる。男なら射精してしまうほどの衝撃が走った。 「ううぅ。おかしくなりそう」 呻きながらも、指先で淫核を刺激する。女の性感の核とはリリルの言葉であるが、嘘ではなかった。小さな突起を指で撫でてみたり、押してみたり、摘んでみたり。 射精と同等の快感が、何度となく爆ぜる。 そうしているうちに、別の欲求が生まれていた。 「……挿れたい」 本能のままに、浩介は左手を股間に移動させる。尻尾から離れるのは名残惜しいが、手は二本しかない。人差し指を膣口に触れさせた。 心臓の鼓動がさらに早まる。 二秒ほど躊躇ってから、指を半分ほど挿入させた。 「くぅぅ。ふぁぁ……!」 押し寄せる快感に、浩介は背筋を反らす。 肉をかき分けて、指を膣の奥へと進ませた。身体の中に異物が入ってくる感覚。これは男では味わえない。一度根本まで差し込んでから、指を引き戻す。 そして、一気に奥まで差し込んだ。指先が子宮口らしき部分に触れ、 「ッ! っうああぁッ!」 脳に火花が散る。 強烈な刺激に絶頂を迎えた。だが、一度イくだけでは終わらない。 人差し指に加えて中指も挿入し、膣内を不規則に擦りあげる。同時に、右手でクリトリスを弄る。二種類の刺激が重なり、強烈な快感となって意識を揺さぶった。 「ああっ。……すごい。指がっ、ふあぁ……止まらないっ……!」 ぐちゅぐちゅ、と濡れた音。 背中を丸め肩を動かし、顔を真っ赤に染める。 男なら一回達するだけで終わるのだが、女の身体は何度絶頂を迎えても終わらない。意志とは関係なしに、ひたすら快楽を貪る。 「ぁああぁっ、何だ、これ……! 終わ、らないっ! はああああッ!」 びくびくと、激しく身体を痙攣させてから。 糸が切れたように、浩介は机に突っ伏した。 しばらく鉛筆立てを眺めてから、膣に残った指を引き抜く。 指は透明な粘液が絡みついていた。 何となく舐めてみると、変な味がする。分泌物の味。 浩介は右手を伸ばし、ティッシュを取った。両手を拭いてから、股間に目を落とす。 ぐっしょりと塗れていた。股間もショーツも椅子も。 「これは……」 薄い失笑とともに、浩介は椅子から立ち上がった。 ショーツとズボンを脱ぎ捨て、ティッシュで股間を拭く。収まったはずの快感が、再び身体に広がっていった。キツネ耳と尻尾がぴんと立つ。 股間からティッシュを離し、ゴミ箱に捨てた。 何度もやっていては、身体が保たない。 浩介は全裸のまま、ベッドに倒れ込んだ。 「疲労も男とは比べものにならん……」 |